第8話 個性的な人たち ページ9
放課後になって教室をでる準備をする
いつもより最後の授業が長引いたから、いつもの電車には乗れないかな
全部カバンに入れてチャックを閉めようとした
そのとき、勢いよく扉が開いた
｢焦凍！この美しい僕が美しい君を迎えにきたよ｣
｢…ああ、光輝か。待たせたか？｣
｢ふふん。これくらいなんてことないのさ！｣
｢ならよかった｣
じゃ、また明日
そう言って轟君は扉を開けた人と出ていった
…びっくりしたけど、めちゃくちゃかっこいい人だったな
｢あら？どうしたの？｣
｢…あー、紀田さんっていつも先に帰ってたから知らないのか｣
｢なるほどね｣
｢知ってるの？玲央君、上鳴君｣
｢ええ。彼は
B組の…
なら、知らないのも仕方ないかもしれない
今まで交流なんてしたことないし
｢いつも轟の迎えにくんだよ。朝も一緒に来てるっぽい｣
｢ハーフらしいわよ？綺麗な金髪に青い瞳だし。でもねぇ、あのナルシなとこが残念だわ｣
なるし…ナルシスト？
そう言えば自分のこと“美しい”って言ってたような
轟君とお世辞にも似てるとは思えないタイプだけど、どこで知り合ったんだろ？
｢あ、そういや迎えと言えば｣
上鳴君が何かを話し始めた時、開きっぱなしだった扉からものすごい勢いで何かが入ってきた
それをパシッと受け取ったのは、尾白君の尻尾だった
そこでやっと何がとんでいったのかが見えた
…ペットボトル？
｢…話す前にきたな｣
｢え？｣
｢B組から迎えにきてるの、もう1人いるのよ｣
そうなんだ
どんな人なんだろ？
教室に入ってきた人を見て、固まった
……怖っ！！
正直同じクラスの爆豪君も怖いと思ってたけど、それ以上に怖っ！！
真っ赤な髪で、人ひとり殺してきたと言われても否定できないような顔してるんだけど！？
｢…遅せぇ｣
｢ごめんって。授業がいつもより長引いてさ。それより、コレサンキューな｣
｢…｣
｢そんな眉間にしわ寄せた顔で照れんなって｣
｢…ぶっ殺すぞ｣
｢しないくせに｣
ニコニコと、笑いながら教室を出て行った
……
｢…意外だよな。尾白と仲いいとか｣
｢…あの人には、申し訳ないけどそう思っちゃった｣
｢幼馴染らしいわ。確か、名前は
わ、わぁ
名前も迫力あるね
“鬼”に“龍”に“殺”って…
穏やかな雰囲気の尾白君と仲いいとか、びっくりだ
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作者名：悠莉@菜種油 | 作成日時：2017年6月13日 5時
