第16話 障害物競走！ ページ17
走ってすぐにそれは見えた
第一関門って、これは
《まずは手始め…ロボ・インフェルノ！》
｢入試の時の、0P！？｣
第一関門でこれって、ヒーロー科の入試受けてない人を落としにきてるよね！？
びっくりしていると前に立つ2人が話しているのが聞こえた
轟君と赤川君だ
｢入試の時に、あんな美しくないガラクタがでたのかい？焦凍｣
｢いや、俺も知らない｣
｢あ、焦凍も推薦だったね。美しい僕と君があんなのに雄英への入学の有無を決められてると思うと｣
ーズダァァンッ
｢…排除しつくしたくなるよ｣
その光景に、思わずポカンとしたのは僕だけじゃないと思う
だって、いきなり目の前が拓けたんだ
あんなにいたロボが、一瞬で前に立っていた分が消えた
いや、詳しくいえば、僕たちの前を基準にまっすぐロボが破壊された
ハッとした時にはもう轟君と赤川君は消えていて、出来ていた道は他のロボに塞がれていた
《おいおい、なんなんだよあれは！》
《…赤川の個性、光だな。奴は体内に光を貯めることができ、それをあんなふうに体外に放射できる》
《えらい個性の奴がいたもんだなァ》
赤川君がすごいのは、わかってたつもりだけど
こんなに、差があるもんなの…？
って、ダメダメ！
そもそも彼らは学園に推薦された人達
差があるのはわかってたじゃないか
それを羨ましいって眺めるためにここに来たわけじゃない！
それに、これなら僕だって負けない
この障害物は、僕にとっては無いにも
ダッと前に走り出す
避けれるものは避けて、避けれないものは
｢僕と、居場所をチェンジ！｣
その後に全力で駆け抜ける
僕が前に進む度にロボが後ろに下がって行くけど、皆、頑張ってね！
その要領で第一関門はあっさりと抜けられた
これ、今のところ上位にいられてるんじゃないの、僕
アナウンスから他のメンバーが着々と第一関門を突破していることがわかる
《1-A 切島、潰されてたー！》
｢えっ！？｣
つ、潰されって、無事なの？
だ、大丈夫、だよね？
大怪我とかしてたらどうしよう
不安になって足が止まる
《B組 鉄哲も潰されてたー！ウケる！》
他の人も、潰されて…
うける…ウケる？
それって、面白いってこと？
じゃあ、彼は無事？
大怪我してないってこと？
｢…よかったぁ｣
へなへなと座り込んじゃった
安心した
どうしよう、なんか泣きそう
とにかく、無事でよかったよぉ
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作者名：悠莉@菜種油 | 作成日時：2017年6月13日 5時
