あの子は俺の【エリオス】

43話 ページ46

「全く、メンターの指示を聞かずに単独で行動するからこんな目に会うんだ。お前達もメンターの指示を聞いて行動する様に。でないと、効率の悪い動きしか出来ないからな」

「なっ！？」

『...何それ、普段からちゃんと指示しない人が言える事？』

「何？」

『お兄ちゃんから聞いたけど、普段からもう1人のメンターに、任せっきりにしてるくせに、いざって時にしか指示を出さない、それも"効率"を重視したやり方で。普段から指導しているならまだしも、やってないに等しいのに相談しても"何故そんな事も出来ない"みたいな事を言う。出来なくて悩んでるから相談してんじゃん。メンターってルーキーを教育する立場なんでしょ？貴方はそれすら出来てない』

「何だと」

『だって、ルーキーがアドバイスがほしいから相談してんのに"自分で考えろ"っておかしいくない？私だったら貴方の指示には従わない。ムカつくから。お兄ちゃんと同じ行動をする』

「黙って聞いてれば生意気な事ばかり。貴様は自分の立場が分かって無い様だな」

『分かってるから言ってるのよ。まだキースの方がちゃんとメンターとして私達を見てくれてるから。普段あんな感じだけど、話しは聞いてくれるし、一応怪我してないか心配もしてくれる。貴方とは大違いよ』

「言いたい事はそれだけか」

『えぇ、それだけよ』

「カズサの妹だからどんなもんか期待してたが、兄と同じで期待外れだな」

『誰も期待してくれなんか言ってない。そっちが勝手に"カズサの妹"だからで期待しただけでしょ。私は"お姉ちゃん"じゃない、"鳳ヒナ"って名前の1人の人間だもん！勝手に色んな事決めつけないで！』

「！？」

「あんたの負けだよ。ブラッド」

「.....」

「効率ばっか重視してると見えるものも見えなくなるって事。俺もあんたの指示には従いたく無いね。まーキースなら多少は聞くかな」

「.....」

「じゃあ、俺達は行くから。2人共行こ」

『うん』

「お、おう」

「......」


プシュー


「見事に噛みつかれたね」

「....カズサ」

「前に言ったじゃない"私の妹"として見るんじゃなくて1人の人間として見てって。それに、あの子達が言ってた様に、何の為にメンター、ルーキーの各2名のチームを組んだと思ってるの」

「"チームワーク"を学ばせる為に決まってるだろ。わかり切った事を」

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