後輩が俺に惚れない【五条悟】

#45 ページ47

は？なに？いま何て言った？？？


"初恋"？


"恋"？？？？





夏油「何考えてんの硝子！！」



硝子「もう自分じゃ絶対気づかないんだから私らが言うしかないでしょ」



夏油「えっ、いや…そう……なのか？」



五条「…は？え？何？
全然わかんないんだけど

硝子は俺があいつに恋してるって言いたいの？」



硝子「そうだよ」



五条「傑も？」



夏油「まあ…そう思ってるけど…」





………いや…いやいやいや

何いってんのこいつら


そんなわけないじゃん





五条「俺はあいつに
"惚れるわけない"とか言われて

それが生意気だったしそんなわけねーから

こうやって俺に惚れさせようとしてるだけで！


俺があいつのこと好きなわけじゃ、」



硝子「好きじゃないならさ」



五条「え、ちょ、なに、なに
こわいこわい」






無表情のままズカズカと俺に近付いてくる硝子に恐怖を感じて後ずさる



伸びてきた手が何をするかわからなくて

俺の体はとっさに固まった





五条「あひゅ！！」





ズボッ！！！と効果音が鳴りそうな勢いで
硝子の手が行き着いたのは


俺のズボンの右ポケットだった





硝子「好きじゃないなら

何で何ヵ月も前にもらった飴を

大事そ〜〜〜〜〜〜〜〜に
いつまでもポケット入れてんだよ」



五条「！！」



夏油「え"、うそ…まだ入れてたの…
中で溶けてそう…」



五条「こっ、これは！！

いつ食うかなーって考えてるうちに
タイミング逃して忘れてただけだし！！」



硝子「ポケットにこんなでかい異物入ってて忘れるわけねーだろ

つーかお前しょっちゅうポケットに手ぇ突っ込んでんだろが」



五条「う"っ」





図星だった



たしかに俺は

この２本のチュッパチャプスを
ずっとポケットのなかに入れてて


思い出しては食べようと取り出したけど





"『あ、プリン味のほうがよかったですか？

先輩甘いの好きですもんね
プリン味もどーぞ！』"





あの顔がよぎっては

その気が失せてまたポケットにしまっていた





硝子「もったいなくて食べられなかったんだろ

あの子からの最初のプレゼントだから」



五条「そ、ういうわけじゃ、っ」



硝子「…じゃああんたさ
仮に今あの子から告白されたらどうすんの」



五条「！」





硝子の真っ黒な目が

俺すら知らない俺の心の内を見抜くように細められる









硝子「認めたら？五条









事故チューして惚れてんのはお前だろ」

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