後輩が俺に惚れない【五条悟】

#31 ページ32

五条「オラくらえ傑ー！！」



傑「うわっ！！」





俺の声と一緒に発射口から水が吹き出す


前にいた傑は手でガードしたけど

防げるわけもなく、その白シャツを濡らした





傑「ちょっ、どこから持ってきたんだその水鉄砲！！」



五条「この前資料室片付けたときに見つけたんだよ〜っ
おらおら！！！」



傑「ちょ、っと、顔ばかり狙うな！！」





今日は梅雨が明けてから最初の真夏日だ


そりゃもう暑いったらない



担任がいないから一日中自習だし

暑さに耐えられないしで


俺たちがとる選択肢はひとつだった





硝子「よくやるよ
制服びしょびしょじゃん」





三人の中で唯一

木陰から水遊びしてるのを見守る硝子が言う


硝子もやればいいのに





傑「私だけがね！！！いい加減術式解け悟！！

水遊びしたいって言ったの悟だろう！！」



五条「だぁって傑が持ってんのホースじゃん！！
当たったら一発ですげえ濡れる！！」



傑「濡れるために出てきたんだろ！？」





まあそうなんだけど


よく考えたら制服びしょびしょになったら
たぶん気持ち悪いよなあ


絶対重くなるし



しばらくは傑しか濡れない状況楽しむのがいいかも





五条「それにしても伊地知おっせえなあ
もう５分経ったぞ？？」



硝子「いや一年の教室から５分とか
山を下りきるのも難しいでしょ」



傑「…伊地知が来たら謝りなよ悟
後輩はパシるもんじゃないんだから

ましてや入ってきたばかりの一年だ
慣れてないのに可哀想だろう」



五条「えー」



傑「えーじゃない」



五条「………」





"一年"…か



"『私、先輩と仲良くしてもいいんですか？』"



あれからもう一週間は経ってるけど

あいつの姿は一度も見てない



まあここんとこ全員忙しかったしな…

いやでもそもそもこの時期だったら
一週間会わねえとか別にフツーか





五条「(…あんなこと言ってたし…
次会ったらなんか変わんのかな…)」





俺に嫌われてないって自覚したってことは

何かしらのストッパーは外れたって考えてもいいと思う



それがどんなストッパーであれ

俺に惚れる確率が上がったのは確かだ





五条「ﾌﾌ、ﾌﾌﾌﾌ」





あーーーー楽しみだ


次は何してやろうか





傑「…え、何で今急に笑ったの」



硝子「きも…」



五条「あ！？んだとコラ硝子も濡らすぞ！！」



硝子「殴らせてくれるならいいよ」



五条「ヤだよ！！！！！！」

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