【食戟のソーマ】誘いと罠【第3章】

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《創真side》


俺は材料の中のひとつに手をつけた


それは、牛テール

ゼラチン質が最も多い部位で、そのとろみによりコクを作り出す


背後からおおっと歓声の声が上がった

そのとき

美作「けふっ……くくくっ」


ゾワッと背筋が凍った


美作「お前がこの一週間で

なにを買ったのか、誰と会ったか、どんな事を試したか

俺はぜぇーんぶ知ってる」


そう言って取り出したものは……

「美作もテール肉を！！」

創真「……」

美作「さァ、ここから追い抜くぞ……！」


そして美作は、でかい肉の燻製らしきものを取り出す


____ベーコンだ


付け合わせに使うつもりか……


そろそろ、だな


《Aside》


やっぱり、タクミのときと同じ……

やり方を完全に感知されてる……！


えりな「……！」


創真はごとん、と箱を台に乗せて蓋を開けた

そこから頰肉、牛タンやヒレ肉が次々と出てくる


会場がどよめきだす


創真は一体なにをしようと……？


創真「えーー…ごほん

審査員の方々……これからみなさんを

『牛肉の遊園地』にお連れしやしょー」


A「へ……？」


どういうこと？


創真「この肉はぜーんぶ、今朝選んで買ってきたんだ」


え？ってことは今からやるのは……

完全なアドリブ！！？


創真は会場のざわつきを気にせずせっせと肉を調理していく


しかし、先にできたのは美作くんだった


美作「おあがりよ！！」


私はむっとした

その言葉は創真の……


チラ、と創真を見ると

「それ俺のなのに……」と言わんばかりのオーラを漂わせていた


そんな一面あるんだ創真……

審査員が品を口にする


その反応は遠くからでもよくわかった


みんな恍惚とした表情を浮かべていた

美作くんは現役シェフ達を唸らせた


するとしばらく時間が経ったあと

創真「さぁ……どーぞ、おあがりよ」


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