問題児2人と保護者1人。ただし最強。

拾漆話 ページ24

　
　

夜11時


国重A、帰校


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

皆もう寝てるかな


…いや無いな


共有スペースの電気付いてるし話し声がする


外にいても聞こえるって相当だよね


「は〜い五条がビリな。酒買ってこい酒」

「私もお願いしようかな」

「クッソお前らつるんでズルしてんだろ！」

「は？してないし。いいからはよ」


大声で文句を言いながら五条くんが外に出てきた


「チッ、アイツら次はコテンパンにしてやる」

『五条くん！』

「……は、おま、なんでいんの？」

『帰って来ちゃった』


暗い中でも五条くんの瞳が輝くのが見えた


僕にそんな顔してくれるのは君が初めてだよ


ｶﾞﾗﾗｯ)
「おい五条なに一人で騒いで…」


窓から顔を出す家入さんと、その奥から覗き込む夏油くん


2人とも大きく目を見開いていた


「え…？A…？」

「国重、帰ってきたの」

『…うん。もう任務終わったし、一人は寂しいから』


僕がそう言うと五条くんが近づいてきて、僕の頭をグシャグシャに撫でた


「おかえり！」

「外は寒いだろ。ほら早く入っておいで」

「五条はさっさと買い物行ってこい」

「わあったよ。俺ソッコーで帰ってくっから」

『五条くんに甘い物買ってきたからね』

「秒で帰る」


猛スピードで走って行った五条くんを見送って、僕も建物の中に入った


「お土産なに？」

「こら硝子」

『ふふ、夏油くんと家入さんには笹かまぼこにしたよ。塩っぱいもののほうが2人とも好きでしょ？』

「よくわかってんじゃん。良い酒のアテになりそう」

「わざわざ悟と別に買ってきてもらって悪いね」

『ううん。僕も五条くんと一緒にこれ食べてみたいからいいよ』

「たでーま」

『え、はや』


5分も経ってないのに…


「秒ではなかったね」

「秒じゃなかったな」


この2人厳しいな…(苦笑)


というか五条くんが買ってきたの…カップ酒？


なんか缶ビールとかかと思ってた


「なんでカップ酒なの」

「お前らがプルタブ開けた瞬間に泡まみれになりたいってんならそっちでも良かったけど」

『優しいね五条くん』


走って来たから炭酸が噴き出すのを考慮してくれたんだね


「……んで、俺に何買ってきたんだよ」

『仙台の有名な和菓子。喜久福ってやつ』


五条くんは一口で放り込んだ


「風情がないな」

「味わえよ」

「何これすげぇうめぇ」

『良かった』


この時間が永遠に続いてほしいな
　

拾捌話→←拾陸話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す