問題児2人と保護者1人。ただし最強。

拾弐話 ページ18

　
　
今の状況を30字以内で説明せよ


16歳男子が寝ている女児を目の前にして正座しております(27字)


ヤバい絵面なのは重々承知なんだけど…


正座しちゃうのは緊張してるからであって、別にやましいことがあるわけじゃない


しかも万里さんが依頼を受けているので此処にいない


これ起きたときにパニックにならないかな…


それに「名前は自分で聞け」ってなんて無責任な…


「んぅ…」

『ﾋﾞｸｯ)』


お、起きた？


「ん……ばんりさ、」

『あ、ごめんね。万里さんは今いないんだ』

「……おにいちゃん、だあれ？」


マズい、非常にマズい


この場合僕はなんと答えるべきなんだろう


万里さんの弟子……いや、弟子ってものが通じるわけもない


万里さんの息子？


違うな。万里さんは親代わりだけど僕は息子という位置取りとは違う


『僕は、万里さんの………家族、だよ』

「そうなんだあ！」


…結構恥ずかしいこと言った気がする


そしてこの子、人を疑うことを知らないようだ


今だって僕に近づいて……え？


「おにいちゃん、おなまえは？わたしはね、ふゆもとみおってゆうの」

『…僕は国重A。好きに呼んでいいからね』


やっぱりすごく心配なんだけど！


駄目だよ⁉そんなすぐに名前教えちゃ！


「おにいちゃんもじゅ、じゅ…、」

『呪術師？』

「ううん。ちがくて」

『じゃあ呪具師かな』

「うん！」

『僕はね、呪具師じゃなくて呪術師っていう仕事をしてるんだよ』

「じゅじゅつし？」

『そう。君がさっき万里さんから聞いた、呪具っていうのを使って戦うの』

「かっこいい！」


…かわいい


ﾋﾟﾛﾝﾋﾟﾛﾝ)

あ、メールだ


〔ねぇ、桃鉄とは思えないくらい盛り上がっててうるさいんだけど。てかキモいんだけど。あ、五条は今−5000万な〕


『ごっ(笑)』


一番やりたがってたのは五条くんだったけど、別に強いわけじゃないのかな？


イライラしてるっぽい五条くんと涼しい顔でピースサインをする夏油くんの写真付きだった


「このおにいちゃんは？」

『僕のお友だちだよ』

「まえがみへんなのー」


…子供は素直だね


僕は別に変だと思って見たことなかったけど


取り敢えず家入さんに連絡しよう


……いいこと思いついた


『みおちゃん。僕のお友だちに写真送りたいんだけど、一緒に撮ってくれる？』

「うん、いいよ！」

『じゃあ携帯の黒い丸のとこ見ててね。はいチーズ』ｶｼｬｯ)


思い出がまた一つ追加された

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