問題児2人と保護者1人。ただし最強。

俺の気持ち　 ページ2

　
　



五条side



初めてアイツを見たとき、絶対自分と交わらないタイプだと思った


なっげぇ前髪に顎ギリギリまでネックのある制服


喋りもボソボソとしていて聞き取りづれぇし、いっつもなんかに怯えてる


俺を見ると分かりやすく肩ビクつかせて傑の後ろに隠れるくせに、傑にも少しビビってるみたいですげぇ見ててイライラした


でもまぁちょっと深く知ったら死ぬほどイイ奴だなって認識になった


俺が甘い物好きだっつったら、任務でどっか行くたびにお土産でスイーツ買ってきてくれる


人の健康状態とか硝子以上によく気づく


気遣いができてタメとは思えない落ち着きもあるやつだな、って思えるようになった


でも、俺からのアイツへの態度が決定的に変わった瞬間があったんだ


1年の終わり頃


俺と傑とAの3人が駆り出された任務で、あろうことか俺は敵と対峙中に無限を解いてしまった


その理由は未だに思い出せない


ダサいことに一級呪霊に吹っ飛ばされた


そんな俺に気を取られたAは、もう一体の呪霊に気が付かなかったのだ


「ッ！A！悟じゃなく前を見ろ！」

『なっ…！』ﾊﾞﾂｯ)


嫌な音がした


めっちゃ焦って顔をあげる、が


『うぁっ、前髪っ』

「は？」

「えっ……ﾊｯ!余所見するな悟！！」

「うおっ！」


そっから傑と俺で一瞬で片付けた


『うっ……ごめん、また2人に助けてもらっちゃった…』

「いや、オマエ、さ…」

「無事で良かったけど…髪が…」


Aの前髪がバッツリ切られていた


『う、ん…変、だよね、気持ち悪い、よね』

「は？何言ってんだよ。別に、いい、と思うけど」

「悟、素直に言ったらどうだい？似合ってるよ」

「…変じゃねぇよ」


ルビーのように真っ赤な瞳


頬に小さな傷があるけど別に変じゃない


なんつうの、造形美ってやつ？


そのとき、俺は国重Aという人間に完全に堕ちた
　
　

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