問題児2人と保護者1人。ただし最強。

弐拾伍話 ページ34

　
　
　
ふと目が覚めて枕元を漁る


携帯を探り当てて開けば、まだ朝の4時


…早すぎた


何故だか既に目が冴えてしまって、これは二度寝できないな…とため息をつく


ゆっくりとした動作でジャージに着替え、部屋の外に出た


まだ皆寝ているからかいつもは賑やかな寮も静かだ


……と思ったんだけどな


「おや、おはようA」

『傑くん…？早いね』

「Aもだろう？私はなんだか目が覚めてしまってね」

『僕も。なんでかなぁ』

「…もしかしたらワクワクしてるのかもしれないね。今日から新学年だ」


…そうか


確かに昨日まで春休み(？)だった


休みでも任務はあるから何も普段と変わらない気分でいた


「Aは実家に帰ってるとき何してたんだい？」

『え…僕は……う〜ん……呪具の手入れと、あと……父さんの手伝いかな』


皆には家のこと詳しく話してないから、万里さんを父さんって言わないと


すっごい違和感あるけど…


「Aも呪具を作れるのか？」

『あ〜、僕は一から作ることはできないんだ。ちょっと形を整えたりとか…そのくらい』

「なるほどね」

『傑くんは？何してたの？』

「家の雑用かな」

『雑用…手伝いじゃなく？』

「うん、雑用」


即答した傑くんに思わず笑ってしまった


「……本当、顔がよく見えていいね」

『！ふふ、ありがとう』

「国重たちも起きてたんだ」


声がして振り返ると、そこには硝子が立っていた


「おはよう硝子」

『おはよう』

「ん。早起きだな」

『硝子もね』


そのまま3人で話をしていると僕の電話が鳴った


『えぇ…まだ朝の6時だよ…？』

「悪戯か？」

『ううん。中田さん……はい、国重です。はい…………えっ、あ、はい分かりました。お願いします…………うう…』

「大丈夫かい？」

『午後から任務だって…1年生と会いたかったぁ…』

「ドンマイ」

「まあまあ。いつだって会えるよ」


皆は今日自己紹介するかもしれないけど、後日別でするのって結構気まずいと思うんだよね


「五条みたいな一年いたらどうする？」

「……後輩だったら可愛く見えるかも」


少しの沈黙


「「『ないな』」」


言葉が被ったことに爆笑する傑くんと硝子


僕は苦笑い


『そろそろ悟くん起きてくるかな』

「アイツが先輩って立場乱用するのに5000円」

「じゃあ私は1万」

『賭けになってないよ』


結局悟くんは全然起きてこなくて、遅刻して夜蛾先生にしっかり怒られていた
　

弐拾陸話→←僕の慕情

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す