【銀魂】細雪の残滓-2-

★ep18.くらくらふわり３　3/5 ページ15

「私の言いたいことはそんだけ。じゃあね」

収拾つかなくしてごめん。でもあとは男の友情的なナニカでなんか、こう……うまくまとめてくれ、と一方的に願う。
元来た道を辿って帰ろうとして、数歩進んだところで自分のものではない足音が前方から近づいてくるのが聞こえて、視線をあげる。

「おまえ……みたことある顔だな」
わらわらと複数で横に長くなって歩いている集団の先頭にいる男が口を開いた。

「そうですか？ 人違いでは？」
というか今時そんなナンパ流行りませんよ？、と口にすれば後ろから吹きこぼれた笑い声が聞こえる。

「ナンパではないわ！！ 武士を愚弄するな！」
声を荒げるボス格の男。見たことあるような気もするし、なんか見たことないような気もする。モブ顔だ。モブ顔。

「ゴリラナンパするなんて目が腐ってるぜ。
オニーサン、眼鏡かってやろーか？？ ッてイッテェ！！」
すかさず茶々入れに入る銀時の脳天に拳を一振り落とす。

「高杉だけかと思ったが桂に、あの時のやつらも……ちょうどいい」
おまえたちも聞いていけ、と舐めまわすように私たち４人を見てから視線を高杉に移して、男は口を開く。

「近頃塾で見かけないと思えば……。随分とあの怪しげな寺子屋にご執心のようだな高杉。おまえもいよいよ、講武館破門は間違いないな」
ニヤニヤと品のない笑みを浮かべながら話を続ける。

「むしろ清々したか？ だが残念だな。ウチをクビになってもお前に行く当てなどないぞ。近いうちに松下村塾は潰れる」

「何が言いたいの？」
無意識のうちに口を挟んでいた。静かに男を睨むとまあ全部聞けよ、と男は話を続ける。

「父上にあらぬ噂を吹き込んだ。役人が動くのさ。吉田松陽(あのおとこ)はいいとこここを追われるか、しょっぴかれる事になろう。得体のしれない浪人が寺子屋の真似などしおって」

なんなんだ。

「身分をわきまえず我ら武士を愚弄するからこうなる。おまえらも、奴も、ここにはもう居場所は時期に無くなるさ」

なんで。

「高杉、おまえはもう侍になんてなれんよ」

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