ep15.きっと星をめぐる2 2/4 ページ2
道場の入り口から中を見れば、中心には銀時と、知っている顔が試合をしていた。どんなやつが道場破りに来たかと思えば……。
「……道場破りって、アレ……?」
念のために確認をとれば、縦に振られる首。まじでか……とぽろりと本音が出れば、ねえちゃん、知り合い?と聞かれてあいまいな返事をするほかなかった。
なんで、晋助が。理由なんかいくら考えてもわからないが、銀時と晋助は知る限り、この前のがファーストコンタクトのはず。なにかが琴線に触れ、触発されてしまったのだろうか。だからといって、寺子屋に道場破りをしに来る奴がいるだろうか。どういうことなの。
銀時は晋助の剣などものともしない様子で往なす。銀時に挑んでは、挑んだ相手が負けるといった光景はよく見られるもので、今のところ、銀時はこの寺子屋においては無敗だった。剣だけであれば。拳含めたら、私の圧勝であったが。
審判の判定をしている子によって、何度も何度も一本!と言われ、黒星がいくらつこうとも、晋助は何度も立ち上がる。息を荒くして、打たれた身体が痛くっても立ち上がり、駆けて、竹刀を振るう。数日前もこんなのを見たし、自分もしたな。まあ今は相手が違うんだけど。
自分が想像したよりも、事が大きくなっていなくて安心した。が、乗り込んできた相手が知り合いなだけに心情は微妙であった。しかし両者ともに真剣な勝負に横やり入れるほど野暮な人間ではないのでそろり、と試合の邪魔をしないように道場の隅のほうに座って試合を見る。
私が入ってきたことに気づいた塾生が話しかけてきた。
「名前、あいつすげーよ、何度も立ち上がってる」
「うん、見てたよ。ずっとあんな感じなの?」
尋ねれば、根性あるぜ、あいつ!!と興奮しているようだった。会話する気0じゃないか。キャッチボールをしてくれ、会話の!!
今の会話が聞こえたのか、道場の中心に向けたままの視線が、呼吸を整えて、じっと晋助の目を見据えていてた赤い瞳がこちらを向いて、目が合う。銀時は晋助を指差しながら、口を開く。
「お、名前やっときたか。おめえは眠り姫なんてタマじゃねぇもんな。起きたんなら、俺と変われよ」
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きびもち(プロフ) - 美姫さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていてください( ^^) お気遣いありがとうございます! (2021年7月29日 14時) (レス) id: 5e22afbf4d (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - めっちゃ好きです!これから夢主がどう関わっていくのか楽しみです!更新頑張ってください!! (2021年7月27日 1時) (レス) id: e7b2566196 (このIDを非表示/違反報告)
きびもち(プロフ) - 神谷さんさん» コメントありがとうございます!楽しんで読んでもらえて、とても嬉しいです( ;∀;)お気遣いもありがとうございます! (2021年7月25日 9時) (レス) id: 5e22afbf4d (このIDを非表示/違反報告)
神谷さん - 続編おめでとうございます。夢主ちゃんの性格が好きすぎてニヤニヤしながら読んでます。更新頑張ってください! (2021年7月24日 17時) (レス) id: 9406ab1259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きびもち | 作者ホームページ:https://twitter.com/c6h12o6_kbmt
作成日時:2021年7月24日 17時