65匹 ページ19
「本日の予定は美麗さんのお洋服選びですわ。
乱歩さんから制服以外をお持ちではないと伺いましたの。これを機に色々買い揃えましょう。
どの様な店があるかは事前にサーチ済みですから、お任せくださいな」
「あー……、はい、お願いします」
俺はもう面倒くさくなって適当に応えた。それが悲劇の始まりだとも知らずに。
結果を先に云うと、その後俺は着せ替え人形が如く着替えさせられた。
何件もの店を回ったし、各店で最低五着は着せられた。
そして服屋だけじゃなくて、靴屋やアクセサリー店も何件か見て回った。
谷崎妹も時々自分に合うものを見ていたが、どれも俺が試着中とか選んでる最中といった俺待ちの時間だけだったから、今日はほんとに俺の服を見に来たらしい。
態々俺のために休日を潰してしまって申し訳ねぇなと思いつつ、谷崎妹が1番楽しんでそうだからまぁいいかと思うことにした。でも後で今日付き合わせた礼はしねぇと。でも何がいいんだ?
半ば強引に俺を此処に連れてきた乱歩はというと、2件目の途中で気付いたら谷崎兄とともに姿を消していた。
谷崎妹曰く、「ちょっと買い物に行った」だそうだ。
まぁ、他人の買い物に付き合うことほど詰まらんものは無いし、同時進行の方が早く帰れるから良いんだが、俺にも一言あっても良くねぇかとは思う。気付いたら居なかったから吃驚した。
そしてある程度店を周り尽くした俺たちは、お八つ時だということもあって
席を探す時に店内を見回して見たところ、店内に居る客は俺たちと同じくらいか少し年上くらいの女が殆どだった。
店の内装は木目調のもので揃えられていて、天井からはランプタイプの照明がぶら下がっている。入口横や窓際には本物か観賞用か見分けがつかねぇが鉢に入った植物が置いてある。店内音楽が穏やかなクラシックなのもあって、とても静かな雰囲気の店だ。
谷崎妹が云うにはこの
乱歩たちは違う
ただ残念なことに、品書き表を見ても書いてあるのは片仮名ばっかでこれお茶っぽいな、これなんだろなってくらいしか分からん。とりあえず唯一確信を持って知ってるし飲める烏龍茶頼んでおいた。
そして谷崎妹はナントカティーを頼んでた。最後にティーってついてるから多分お茶。
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作者名:笹山花音 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年3月25日 10時