47匹 ページ1
「じゃあ次は君の異能力について説明してあげよう。
君は神様とか幽霊の類は信じてる？」
俺は首を縦に動かす。
宗教者じゃねぇが、親からの刷り込みで神も亡霊の類も信じてる。
言霊とか物の怪、九十九神も居ると思ってるし、後者2つは会ったことある。
巻物とかで見てたのより可愛かったのを覚えてる。
此方が何かしなければ相手も何もしないし、何かされたとしてもただの構ってちゃんだから適当に相手してやり過ごしてた。
霊感は一応あるが、霊も見えるのは中級達が具現化した時に白っぽいモヤが見える程度。
強いのはよく見える。
親父が結構霊感あってそういうのとよく話したりしてっから、それらに対する恐怖は殆ど無い。
悪霊の類も俺はまだ出会ってないから霊感ある人間としては比較的穏やかに暮らせてる。
⋯⋯そういやこっちに来てからはまだ強いのはともかく、よくいる中級にも会ってないな。
こっちに来て霊感が無くなったのなら有難い。
そう伝えると乱歩は溜め息を吐く。
「君ねえ、霊感結構強いタイプの人だよ。
悪霊に会ってないのは、それらが悪さする前に君が無意識に浄化したり、異能が撃退してるから。
あと君から放たれるオーラで弱いのも力をつけてるみたいだし、そういう類から見れば君はそうだな、『歩くガソリンスタンド』みたいな感じ」
すっげぇ不快。
せめて充電器とかにして。
っつうか俺が霊感強い？
悪霊を浄化？
これって確か異能バトル少年漫画だったよな。
何時から悪霊成敗漫画になったんだ？
霊感が俺の異能？
「違う、霊感はただのおまけだよ。
君の本当の異能力は神の加護」
わー神が出てきたー。
スケールデカすぎね？
ちょっと脳の処理速度が追いつかない。
「君には守護霊がついてて、異能はそれを使役すること。
守護霊は天使。
君、観覧車に来る前に1度誘拐されかけたでしょ。
その時に知らない男に助けられた」
ああ、そういやそんな事もあったな。
認知を歪める能力者に腕掴まれて、引き摺られてたらCYACYAに助けられた。
「その後、コンビニ強盗にあった時、同じ声の男に助けられた」
「⋯⋯まさか、その自称神の天使は人間に憑依する能力を持ってて、その自称神の天使はその辺の男とおっさんに憑依して俺を助けてくれたって事か？」
それならCYACYAと同じ声だったのにおっさんになったのに納得が行く。
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作者名：笹山花音 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年3月25日 10時
