第2話 ページ4
ローラが重たい玄関の木戸を開けると目の前に来客が居り、
そしてフッと笑って口を開く。
「久し振りだね、ローラ。
僕に気づいたのはメアリー？」
「久し振りね、ジョン。
ええ、姉さんが気付いたの」
来客の正体はワイルダー家の隣に住む、と云っても結構遠いがスタインベック家の長男、ジョン・スタインベック。
家で採れたジャガイモを時々持って来てワイルダー家の卵や牛乳、肉と交換する。
肩から大きな麻袋を下げているので今日も同じ用件だろうとローラは検討をつけた。
「ローラ、外は寒いし家にも冷気が入ってくるわ。
さっさと入れてあげなきゃ」
「判ってる」
家の奥から聞こえた声にローラは少し苛ついて返事をする。
そして身を引いてジョンを招き入れ、ドアを閉めた。
「メアリーは何て？」
彼女の声が聞こえなかったジョンがローラに尋ねる。
「寒いから早く中に入なさいって。
云われなくても判ってるのに」
口唇を尖らせて拗ねた様子で云うローラの頭をジョンは笑いながら二度、優しく撫でる。
それだけでローラの機嫌は戻った。
「そうだ、これを今日は卵と交換して呉れないかな。
そろそろ
ジョンは麻袋を下ろし、ローラの足元に置く。
「
ローラは頷く。
「メアリーは何処に居るんだい？」
「暖炉の前よ。
今は編み物をしてるみたい」
ローラは部屋を指して居場所を示す。
ジョンは僅かに目を開いたあと頷いて礼を云い、メアリーの許に向かった。
何かに
「半年ぶりだから仕方が無いとは思うけどもう少し感情を隠してくれないかな」
ジョンに背を向けて聞こえないように小さくローラは呟く。
ローラにはジョンがメアリーに早く逢おうと慌てて転けた様に見えていた。
実際は単純に
ローラは病に掛かった事の無い健康体だが、メアリーは生まれつき体が弱く、よく寝込む。
双子である以上どちらかが劣っているのは仕方の無いことではあるが、ローラはそれが逆であれば良いと何度か思っていた。
男性である以上、か弱い女性に惹かれるのは仕方の無いことだと判っては居るがローラにはそれは面白くなく、不機嫌になる元であった。
ローラは苛立ちを紛らわす様に麻袋を持ち上げる。
「・・・・・・重っ」
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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笹山花音(プロフ) - 星華さん» 気付くのが遅くなり、すみません。コメントありがとうございます！ (2018年7月7日 18時) (
レス) id: 03806a50b2 (このIDを非表示/違反報告)
星華(プロフ) - 面白いです。これからも頑張ってください。 (2018年7月1日 10時) (レス) id: 53fe236a9d (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわさくらもち@組合らぶ(プロフ) - 笹山花音さん» (https://ibispaint.com/art/969417430/)該当作品が消えてしまった様なので上げ直しました。何度も申し訳ございません。 (2018年4月5日 10時) (レス) id: 55f4685ec4 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわさくらもち@組合らぶ(プロフ) - 笹山花音さん» 大丈夫です。確り確認出来ていなかった此方の不手際で御座います。申し訳ございません。是非お願い致します。此れからも応援していますので頑張って下さい！ (2018年4月5日 10時) (レス) id: 55f4685ec4 (このIDを非表示/違反報告)
笹山花音(プロフ) - ふわふわさくらもち@組合らぶさん» 素敵な絵を有難うございますm(*_ _)m早とちりしてご不快な思いをさせてしまい、すみません。次回更新の際に載せて頂いても宜しいでしょうか？ (2018年4月5日 10時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：笹山花音 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年12月28日 21時
