第16話 ページ20
「腹をくくってジョンに頼みに行こう」
ぽん、とローラの肩に手を置いてマークは云う。
ローラは嫌がって首をブンブンと左右に振る。
振り回された髪は近くにいたトムを直撃。
トムは跳ね飛ばされ、曲がり角で背中を打つと奥へ飛んで行った。
「トムッ!?」
マークは叫んで彼の後を追いかける。
飛ばされたトムは廊下の奥から歩いてきた人物に受け止められる。
「イテテ⋯⋯
助かったぜ、有難うな」
呻きながらもフワリと飛び上がって自分を助けてくれた人物を見る。
「どういたしまして。
何してて吹き飛んできたかは聞かないけど気をつけるんだよ」
その人物を見てトムは後から来たマークと一緒に青ざめる。
「所で、ラヴクラフトを見てない?
明日の仕事の事で話し合いたいことがあるんだ」
トムを助けた人物──ジョンは二人に尋ねる。
「見てない見てない。
向こうから来たけれど見てないよ!」
彼をローラの居る奥に行かせまいと不自然な程しどろもどろになって千切れ飛ぶんじゃないかと思う程に激しく首を左右に振る。
「そうか、団長の所に居るのかも。
有難う」
少し考えた後ジョンは呟いて二人の間をすり抜けて進む。
「ストップ!
そこから、先は行かない方がいい」
寸での所でマークはジョンの腕を掴み、歩みを止めさせる。
疑わしげな表情で振り向き、マークを見る。
「
「あ、いや、その・・・・・・」
向こうにローラが居るから行くな、と云える訳無い。
普段はペラペラと嘘や冗談を勝手に紡ぎ出していくその口も今は何も言葉を紡ぎ出してはくれない。
どうしたものかと考えあぐねていると。
「先程トムが変な
廊下の奥からローラの傍に居た筈のハックがふよふよと浮かびながら近付いてきた。
「何も無かったところから壁が突然せり上がってきたり、局所的な強風が吹いて吹き飛ばされたり。
先ほどトムがそれで吹っ飛びましたから。
なので近づかない方が良いかと」
本当は壁もトラップも出ていないのだが行かせない為に二人はこくこくと頷く。
「そうなんだ。
でも大丈夫、時間が経てば消えるだろうから」
ジョンは笑ってマークの腕を解き、奥に進もうとする。
何とか止めようとマークは口を開くがハックが人差し指を口に当てて『静かに』の
代わりにジョンの後をついて行くことにした。
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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笹山花音(プロフ) - 星華さん» 気付くのが遅くなり、すみません。コメントありがとうございます! (2018年7月7日 18時) (レス) id: 03806a50b2 (このIDを非表示/違反報告)
星華(プロフ) - 面白いです。これからも頑張ってください。 (2018年7月1日 10時) (レス) id: 53fe236a9d (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわさくらもち@組合らぶ(プロフ) - 笹山花音さん» (https://ibispaint.com/art/969417430/)該当作品が消えてしまった様なので上げ直しました。何度も申し訳ございません。 (2018年4月5日 10時) (レス) id: 55f4685ec4 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわさくらもち@組合らぶ(プロフ) - 笹山花音さん» 大丈夫です。確り確認出来ていなかった此方の不手際で御座います。申し訳ございません。是非お願い致します。此れからも応援していますので頑張って下さい! (2018年4月5日 10時) (レス) id: 55f4685ec4 (このIDを非表示/違反報告)
笹山花音(プロフ) - ふわふわさくらもち@組合らぶさん» 素敵な絵を有難うございますm(*_ _)m早とちりしてご不快な思いをさせてしまい、すみません。次回更新の際に載せて頂いても宜しいでしょうか? (2018年4月5日 10時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:笹山花音 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年12月28日 21時