【文スト】大きな国の大きな組織【完結】

第12話 ページ16

翌朝、マークの云った通り組合(ギルド)からの迎えが来た。

コンテナを吊り下げた直昇飛機(ヘリコプター)で。

大きな羽音を響かせ飛んできた直昇飛機(ヘリコプター)に森の動物達は怯え、何処からか木の枝が飛んでくる。

風によって吹き上げられた土埃に綺麗に拭いた窓を汚され、メアリーはご立腹の様子。

吠えるジャックを宥め(なだめ)てローラは外へ駆け出す。

｢やあ、昨日ぶり｣

直昇飛機(ヘリコプター)から飛び降りるようにして出てきたマークが片手を挙げて挨拶する。

｢昨日は馬(マキシム)を貸してくれて有難う。

結構な距離走らせちゃったけど 、基地についても元気一杯で楽しんでたよ｣

ニコリと笑って挨拶をするとコンテナを開ける。

中にはモッサモッサと草を食べるマキシムと袋に入れられていたであろう干し草が入っていた。

｢あー!

食べないように態々柵で囲ったのに！

これは君のじゃない｣

君はもう充分食べたでしょ、とマークは叱って必死に抵抗するマキシムをグイグイ引っ張る。

足を踏ん張って抵抗するマキシムに呆れたローラはコンテナに近づく。

｢お帰り、マキシム。

戻っておいで｣

そう云って腕を広げると気付いたマキシムはブルりと頭を振って手綱を握っていたマークを振り飛ばし、ローラの元へ戻る。

｢ちぇっ、昨日はいい相棒になれそうだと思ったのにやっぱりご主人がいいのか｣

いてて、と打った腰を摩ってマークは立ち上がり、口唇を尖らせる。

｢一緒にいた時間が違うもの、仕方ないわ｣

そういうローラに見せつけるかのように鼻を擦り付けるマキシム。

口の中一杯に詰めてあった干し草を食べ終わった彼は大きなゲップ。

何故かマークは殺意が湧いた。

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