【文スト】大きな国の大きな組織【完結】

第9話 ページ13

｢あ、じゃあさ。

君、組合(ギルド)においでよ。

お試し入団って事でさ｣

妙案だと云わんばかりの笑顔でマークは手を打つ。

｢そんなシステムあるの？｣

｢無いぜ｣
｢聞いたことありませんね｣

マークが答えるより先に異能生命体が答えた。

｢抑も(そもそも)わたし、ジョンから組合(ギルド)に入ったら駄目って云われたもの、無理よ。

見つかったら怒られちゃう｣

｢ジョンが？｣

｢まだこの国は異能力者を恐れる人が多いから危険なの。

貴方も石投げられたでしょ？｣

ローラの説明にマークは成程、と手を打つ。

｢別に良いじゃない、組合(ギルド)に入団す(はい)れば｣

黙って話を聞いていたメアリーが口を開く。

｢何を云うの、姉さん!?

先刻(さっき)わたしが云った事聞いてた？

抑もわたしが居なくなったら誰が動物達の世話をするのよ｣

｢私がするわよ。

無理なら雇えばいいわ｣

｢姉さんやった事無いじゃない、無理よ。

それに、こんな田舎まで来る人なんて居ないわ｣

｢なら貴女の異能で代わりを作れば良いのよ。

見た目、音が再現できるもの、きっと出来るわ｣

｢そんな簡単そうに云わないでよ｣

マークは呆けた顔でローラを見る。

｢えっと、跡継ぎの問題かな？｣

マークの言葉に二人は云い争いを辞めて彼を見る。

｢だったら団長(ボス)に頼めば何人か貸してくれると思うよ。

その分、給料は減っちゃうけど。

団長(ボス)は家族をとても大事にする人だから、何かしら考えてくれると思う｣

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