どなたですか？-２- (ページ5)

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『心配してくれてありがとう、勘右衛門君』

勘右衛門】「いえ、大丈夫ならいいんです
あんなにボロボロ状態で驚いてしまっただけなので」
まぁ初対面であの状態なら驚くよね、初対面じゃなくても驚くか
まさか家に誰かいるなんて思ってなかったんだもん

『仕事上、ああいったことはたまにあるんだよね
あまり気にしないで』

勘右衛門】「確か【お化け退治】でしたっけ」

『そうだよ、彦四郎君から聞いてるんだね』

勘右衛門】「…危険な仕事なんですね」
険しい顔をする彼に苦笑いする
君が気にすることないよ

『私たちにしかできないことだからねぇ
死ななきゃやすい、だよ』

勘右衛門】「ッ！あなたが傷付けば彦四郎が悲しみます
結構懐いていたようなので」
それは素直に嬉しいな、だからといって辞められはしない

『そっか…』
曖昧に笑う私に彼は不満げな顔をする
きっと後輩が、彦四郎君が大事だからだろう

『さて、君にもここの生活に慣れてもらうために色々説明しなきゃね』
気まずいので話題を変える、実際覚えてもらわなきゃいけないしね

勘右衛門】「…分かりました」
またあの時のノートとペンを取り出し彼に渡す
数馬君が残して行ってくれたノートが大活躍している

勘右衛門】「これは？」

『数馬君達が使ってたノートとペンだよ
事細かに書いていると思うから、君も良かったら使って？』
私が書いたものじゃないけどね、数馬君ありがとうすごく助かってる

勘右衛門】「数馬…？あぁ、三年は組の
あいつも来てたのか」
どうやら数馬君も来ていたことは知らなかったようだ
影薄いとか言ってたもんなぁ