どなたですか？-２-

・ ページ3

今の自分の姿を見て悩む、この格好で向かっていいものか
玄関で止まっているとリビングに続く扉が開き、1人の青年が顔を出す
こちらを見て驚いたのか目を見開いていた

『あー、こんにちは？』
曖昧に笑い手を振る、見られちゃった

「ッ大丈夫ですか！？」
心配しながら駆け寄ってくる彼の格好も、彦四郎君同様忍び装束だった
色は違うけど、彼もまた過去の【忍術学園】というところから来たんだろうな
裕二君たちくらいの年齢だろうか、ただ童顔なだけの可能性も…

『えーと、うん、大丈夫です
見た目ほど大したことはないので、驚かせてしまってすみません』
反転術式のおかげでだいぶ治ってきているため、後数分で完治するはず
彼にはリビングに戻ってもらい、とりあえず椅子に座っててもらう

『汚れを落としたいので少し失礼します
君の状況はまぁ大体分かっているので、ここで待っててください』
すぐに済ませてきますので、と彼を残し風呂場へ向かう
おとなしくこちらの指示を聞いてくれてありがたい
急いで服を脱ぎ、シャワーを浴びて血と汚れを落とす
うん、傷も残らなさそう、良かった
昔にできたお腹辺りの古傷が目に入る、これも治ればいいのにな

『っよし、待たせてるからこれくらいで』
着替えてまたリビングへと戻る、仕事着新調しなくちゃ
青年は何かするでもなく、椅子に座り待っていてくれた
この家にあるものが彼にとって珍しいのか辺りを見渡していたが
あぁそういえば何も出してなかったな、と冷蔵庫を開ける
彼につき合わせるのは申し訳ないが、少々疲れているので甘いものがいい
チョコレートと牛乳を取り出し2つのコップに入れる
レンジで数分温めて、ホットチョコミルクの完成
1つを彼の前に置き、対面に座る

『すみません、お待たせしました』

・→←3人目の客人

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す