どなたですか？-２-

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2人と過ごした時と同じように数日がたった
勘右衛門君の体が日に日に透けていく、彼は面白がっていたが
私が留守の間はきちんと家事をこなしてくれて、本当に助かった
ご褒美、という訳でもないが仕事帰りにお菓子を買って帰るととても喜んでいた
甘いもの、甘味が好きな彼は残さずペロリと毎回たいらげ、満足げに笑う
そんな彼についつい買ってきてしまっていた、餌付けじゃないよ？
そんな彼との日々も今日で終わるのだろう



『勘右衛門君』
ソファでくつろいでいる彼を呼ぶ

勘右衛門】「？どうしました？」

『良かったら一緒に写真撮らない？』

勘右衛門】「っぜひ！」
こちらに駆け寄る彼のおしりに尻尾が見えた気がする、気のせいか

『なんかすごく嬉しそうだね』

勘右衛門】「え！？そうですかね…まぁカナメさんといるの結構楽しかったので」
照れたように笑う、というか照れてる彼の頭を撫でる
「やめてください」なんて言ってるけど、全然嫌そうじゃない
むしろ嬉しそう？

『ふふ、じゃあ撮るよ、笑って？』
彼の顔に私の顔を近づける

勘右衛門】「ちょちょ、近すぎません？」
これくらいで何故照れる
少し顔を離してもう一度カメラを見る

『もう、いくよ？笑ってー』
パシャっと音がして写真が撮れる
確認すると2人とも言い笑顔、彼の顔はほんのり赤いが
彼にも確認してもらい保存する

『やっぱりお別れは、楽しかった分寂しいね』
数日の間だったが彼との日々も楽しかった

勘右衛門】「そうですね、！あっ」
勘右衛門君の方を見れば徐々に体が透けていっていた

『あぁもうか、写真撮れてよかったよ』

勘右衛門】「ははっ、確かにギリギリでしたね
…カナメさん、お世話になりました
たくさんお菓子買ってきてくれてありがとうございました、美味しかったです
もちろんカナメさんの料理も
迷惑かけてすみません、でも本当に楽しかったです
あまりお仕事で無茶しないで下さいね？
あなたが傷つくと俺たちは悲しいです、こんなこと言っても困らすだけだとは思いますが」

『うん、ありがとう
なるべく怪我には気を付けるよ』

勘右衛門】「もう、本当に気を付けてくださいよ？
…それじゃあカナメさん、本当にありがとうございました」

『こちらこそありがとう勘右衛門君、それじゃあね…バイバイ』
にっこり笑って手を振る彼に、私も振り返す
彼の体は徐々に薄くなりやがて消えた

『心配性だな、まぁ気を付けるよ』

少しの間だったけど楽しかったよ
ありがとうね、勘右衛門君

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