どなたですか？-２-

3人目の客人 ページ2

あぁ最悪、最悪だ
山羽さんに自宅に送ってもらっている車内で私は顔を歪めていた

山羽】「カナメさん、本当に家入さんのところに行かなくていいんですか？」
車の鏡越しに私を心配そうな目で見る彼女に『大丈夫です』と返す

あれから数日たちいつも通りの仕事三昧
今日は依頼でもう1人男の呪術師との合同任務だった
任務はもちろん成功させ、呪霊は祓った
だが彼は死んだ

彼の階級は2級、私は準1級
本来ならば彼はこちらの指示を聞かなければいけない立場なのだが
大方、そこまでの苦労なく階級が上がったのだろう
調子に乗った彼は私の指示を無視、独断で行動した
私が女だからと見下していたのかは分からないが、ほんと馬鹿
呪霊を侮った彼はあっけなくやられた
本来2人での任務を、私1人でやる羽目になった
だからといって死んでやるつもりはないので刀を構えなおす

結果、何とか祓えたものの私も右脇腹をえぐられ負傷、所々に怪我をした
反転術式が使えるため自分で治す、硝子さんの手を煩わしたくはない
車を汚して申し訳ないなと思いながら山羽さんに送ってもらっていた



山羽】「ではカナメさん、私はこれで失礼します
安静になさってくださいね？」
自宅に着き車を降りる

『ありがとうございます、お疲れ様でした』
疲れた足取りでロックを解除し玄関の扉を開ける
だんだん傷も治ってきた、服はボロボロのままだが、日付跨ぎそう
あぁ、早くお風呂に入ろうと思いながら靴を脱いでいると
リビングからドスッという音と、「イデッ」という声が聞こえた
脳裏にとある言葉が浮かぶ

【2度あることは3度ある】

あぁ…今じゃなくてもいいのに

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