事故7 ページ9
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「あぁ、やっぱり!!」
突然納得したような声を出した後、ガサガサと自分の鞄の中を漁る、るぅと君。
「実はこれ、見本なんだけどね…」
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そう言って、手元にあるのは『るぅと』と文字が書かれた握手会の券で。カゴを持っている私の手とは反対の手にそれを握りしめさせ「秘密だよ。」と、口元に人差し指を運びまた微笑んだ。
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「っへ、ちょっ…だめです!!」
そのままサンドウィッチも買わずに
お会計へ向かうるぅと君に握手会の券を返そうと声を張ってみたが、「お願いします。」とだけ言って受け取ろうとしてくれない。
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「どう…しよう。」
るぅとくんはとっくに去ってしまった
コンビニの中。私は、買う予定だったスイーツサンドウィッチを手に取り棒立ちのままだった。生憎、今日は握手会なので今のこんな私の顔をころん君という推し様に見せるわけにはいかない。
が。
握手会に行くということは、もちろん
朝出会った彼にも会いに行くということで。
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確かに、会いたい。
お喋りもしたい。
けれど_____
私はただ、彼に認知をされているだけで
オキニでもなんでもない。
『るぅと推し』では無く『ころん推し』の
普通な社会人。
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券を私に渡し、微笑む彼の顔と仕草がフラッシュバックで私の頭に浮かぶ。
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「すみません。」
ふと、そんな声が後ろから聞こえて振り返るとそこにはまた高身長のイケメンが。
「大丈夫ですか?」
ずっと棒立ちで立っていたのを心配してくれたのか、申し訳なさそうに声を掛けてくれる彼に「すみません、大丈夫です。」とだけ伝え、そそくさとお会計へ向かう。そんな私の背中を愛おしそうに見ている彼の視線になんて気付くはずもなく。
「合計で〇〇円です。」
その声に私は慌てて、お財布を取りだし
重たいチャックを開いた。
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鮭(プロフ) - 子論さん» 予論さん!ありがとうございます◎もっともっと読み込んで貰えるよう、これからも精一杯頑張らせて頂きます!! (2020年1月27日 7時) (レス) id: 8bdf184cc4 (このIDを非表示/違反報告)
鮭(プロフ) - リト(Potato)さん» はい、楽しみにさせて頂きます◎ (2020年1月27日 7時) (レス) id: 8bdf184cc4 (このIDを非表示/違反報告)
子論(プロフ) - 鮭さん!この作品マジでよきです!早速お気に入りさせてもらいました!めちゃ続きが気になります!これからも書くの頑張ってください! (2020年1月27日 0時) (レス) id: 17dc201930 (このIDを非表示/違反報告)
リト(Potato)(プロフ) - 鮭さん» それはそれは、笑っていただいて嬉しい限りですぅー(タ〇ちゃん)これからも楽しませることの出来るような作品作れるように頑張っていきますね! (2020年1月26日 23時) (レス) id: 411bfd759c (このIDを非表示/違反報告)
鮭(プロフ) - リト(Potato)さん» 毎度ありがとうございます◎リトさんの作品も読ませて頂いております..くすっと笑ってしまう感じで楽しませて貰っています。御心配の方嬉しいです。頑張りますね! (2020年1月26日 22時) (レス) id: 8bdf184cc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鮭 | 作成日時:2020年1月22日 16時