22話 ページ26
・
・
「何ですか?この騒ぎ。」
奥の部屋にいたはずの真奈ちゃんが目を真っ赤にして私達の部屋へ戻ってきた。
・
・
・
「ま、な…!!」
・
・
・
・
一同が、真奈ちゃんの姿を見て困惑する。
そりゃあそうだ。
いつもは可愛らしく笑う彼女の顔は
目元に光が宿していないのを前提に
真っ赤に腫れ上がり、顔色も悪い。
「ねぇ、どうしたの…?」
・
「何があったの?」と続けて聞くと、バシッと手を振り落とされた。
・
・
「…ほんと、ずるいやつ。」
・
・
小さく、真奈ちゃんが私の耳元で囁き
すとぷりのみんなへにこりと微笑んだ。
「心配かけてごめんなさい…真奈は元気だから大丈夫だよ〜!!」
私との会話では生まれない可愛らしい声に
つい私も苦笑いが浮かぶ。
・
・
・
「Aと真奈ちゃんはさ。」
今まで黙っていたころん君が私の前へ立った
「僕達にどうされたい?」
・
優しい問いかけのはずなのに、目元は
少しも笑っていない。
迫られた不思議な言葉に私はついポロッと口から溢れ出してしまった。
「……愛されたい。」
・
・
・
私のその一言に、その場が静かになる。
・
・
「…はぁぁ?」
1番最初に声を出したのは、真奈ちゃんだった。『信じられない』とでも言いたいようにヒールを脱ぎ捨て、こちらへ小走りで寄り、そのままぐっと私のドレススカーフの先を掴みとる。
「じゃあ、なんで降りたのよ!!」
・
・
「アンタのためでしょ…」
真奈ちゃんは頭に血が昇っているようだが、生憎開き直った私も止まりそうにない。
・
・
「…ほんっとに、最低。」
手に力が入らなくなったのかへなへなと
腰から崩れ落ちる真奈ちゃんの身体を
慌てて支える。
「…ごめん。」
「謝れば被害者になれるとでも…?」
「…ごめん。」
冷たく、私を否定するような口調と言葉に私は何も返せずただひたすら謝り、何か言いたげな顔でこちらを見る数人をスルーし間をすり抜け、彼女の部屋に運ぼうと、少人数の部屋メイドさんを連れて裏口部屋から出る。
・
361人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ましかに - 待ってます (2022年6月18日 16時) (レス) @page27 id: b45f3d1284 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 更新待ってます (2020年5月29日 0時) (レス) id: f65192fa99 (このIDを非表示/違反報告)
いぶき(プロフ) - 続き気になります!お話とても好きです! (2020年5月20日 0時) (レス) id: d775cce176 (このIDを非表示/違反報告)
らん@歌い手色の占ツク民達(プロフ) - 続き気になります!!!面白すぎて腹筋割れます(?) (2020年2月10日 18時) (レス) id: d574829136 (このIDを非表示/違反報告)
鮭(プロフ) - 未来さん» わああ、ありがとうございます◎これからも応援して頂けるよう、精一杯頑張らせて頂きます! (2020年1月27日 7時) (レス) id: 8bdf184cc4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鮭 | 作成日時:2020年1月15日 6時