嫌われ者なあの子に仕方ないから姫の座、譲りました。

15話 ページ17

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泣きじゃくる私を抱き寄せて、優しく
背中をさすってくれた。



今までぽっかり空いていた穴がふわふわと




暖かいものに包まれるような…



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「今はさ、返事なんて要らないから…」





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「ちゃんとAの事が好きな人はいるってこと、忘れないでよ。」コツンと私のおでこに触れるだけの様な優しい殴りを入れて、パンパンと座り込んでいた為、自分の服を叩いた。






「あーあ、泣いてんじゃないよほんと。」




未だに涙が止まらない私の瞼を拭く。



「…ころん君は、幸せになるべきだよ。」




嬉しいはずなのに、私が口から出るのは

ころん君を否定する言葉しかなくて




「…は？？」




「可愛い人と、大切な仲間と。
幸せな生活が出来れば私が1番嬉しい。」



『正気か？』とでも言うように私の顔を見てガリガリと後頭部をかくころん君






「僕にとっては、Aが1番可愛い。」



「眼科医に見てもらったら…？」



「Aこそ精神科、行ったら？」




気が付けば、2人でくすくす笑っていた

ここが廊下だということも忘れて。




「僕は弱いから、Aの事を守れないしすとぷりが好きだから彼等に何か言うことは出来ないけど、僕にもチャンス頂戴よ」






「絶対好きにさせるから。」にやりといたずらっ子のように笑うころん君に



「真奈ちゃんにやってくださ〜い」と言って

べしんと叩いた。




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