#95 ページ45
『…リヴァイ。
屋上が好きだね…？』
「…Aか」
扉の開く音が静かに響き、
そこにいたのはAだった。
刺繍を
お前は戸惑いながらも
心なしか、いつもより近く感じた距離。
「…いいのか。
エルヴィンやクソメガネは」
『…どうして自分のことは後回しなの』
「あ…？別に…」
『っ…心配なんだよ。リヴァイ』
「……」
零れ落ちそうなものを堪えるように、Aがすぐ傍から俺の目を見た。
「…なんだ、その
お前を見て、
また独りよがりに不安がり、目を逸らしてしまえば…また同じ思いをさせるんだろう。
Aの手が俺の服の袖を掴む。
『…リヴァイ。
あなたになにも…できないのは嫌』
「……」
『…頼りなくてごめん。
でも…何を思っているのか話してほしい』
「……」
“なにもできていないのは……”
「…お前じゃねぇよ」
『………』
聞こえたか、聞こえなかったか分からない。
だがお前は瞳を酷く揺らした後、その華奢な腕に俺を抱き寄せた。
そのまま背をなでる。
「…悪い。A」
『なんで……』
お前にそんな表情をさせたいわけでも、みっともねぇ姿を見せたいわけでもない。
なのにお前のこととなると自制が効かない…と、言えば、笑うだろうか。
こんな戯言ばかりを。
『…リヴァイ』
「…なんだ」
『……
「…あ？」
お前は唐突に言い、
俺を抱き寄せたまま、今度は髪をなで始めた。
『…楽に凭れて。リヴァイ』
“あなたが望むならいつでも目を瞑るし、耳を塞いであなたといるから”と。
聞こえるか聞こえないかの優い声で、お前は言う。こんな俺に。
「…A」
『ん…？』
あいつの代わりでも、代わりになんかなれなくたっていい。
ただ――…
痛がっていると知りながら、
強くお前を抱き竦めた。薄く綺麗なその背に、きたない爪痕を残せるように。
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猫
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氷飴（こおりあめ）(プロフ) - 宇宙。さん» 宇宙。さんが綴られた可愛くて和やかなお話のきっかけ(…に、なれたと自惚れていいのでしょうか)に少しでもなれたのかと思うと本当に嬉しいです^^*それだけでなくCSSまでお褒めいただき…。本当に、温かなお言葉をありがとうございました！ (2019年6月22日 12時) (
レス) id: 885b609761 (このIDを非表示/違反報告)
宇宙。(プロフ) - 氷飴（こおりあめ）さん» 自作なんですか！すごいです。。これからもcssとお話のどちらも楽しみに待ってます！！そういえば、氷飴さんに触発されてさっき小説を初めて書き始めました。もし見ていただけるなら…なんて厚かましいですが、覗いていただけたら嬉しいです！長文失礼いたしました。 (2019年6月22日 12時) (レス) id: 003422f1aa (このIDを非表示/違反報告)
氷飴（こおりあめ）(プロフ) - 宇宙。さん» 宇宙。様初めまして！コメントありがとうございます。梅花黄蓮から一気読みしていただいたとのことで…嬉しいやら恐れ多いやらで心臓がばっくばくな私です…��(･ω･ﾉ)ﾉありがとうございます、これからも頑張ります！CSSは自作しております^^* (2019年6月22日 11時) (レス) id: 885b609761 (このIDを非表示/違反報告)
宇宙。(プロフ) - ところで、このｃｓｓとても素敵です！！ご自分でおつくりになったのですか？ (2019年6月22日 11時) (レス) id: 003422f1aa (このIDを非表示/違反報告)
宇宙。(プロフ) - 初めまして！梅花黄蓮からここまで一気読みしちゃいました。これからも頑張ってください！ (2019年6月22日 11時) (レス) id: 003422f1aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷飴 | 作成日時：2018年4月16日 19時
