弐拾玖 ページ36
『落ちた？』
猫「…ｺｸ」
壬「コイツは字も書けるし官女の試験くらい訳ないと思っていたんだが…」
『…落ちたと…猫猫、もしかしてだが興味が無さ過ぎて本読んでなかったんだろ』
猫「…嗚呼」
『オイコラ…』
水「まあ壬氏様、A。私は助かりますよ。
官女どころか下女も壬氏様のとこでは長続きしないのですから」
壬「だが水連＿」
『壬氏様の所で働きたい娘はたくさんいるだろうに…』ﾎﾞｿｯ
壬「何か言ったか？」
『いえ何も』
おっと、ちょーっと心の声が出てしまった。
水「私は壬氏様にお仕えして長いのだけれど、他に人手がないから困っていたのよ」
猫「そうなのですか」
水「Aは医務室勤めになってしまったし…」
『ははは…』
水「この子ならこれまで遭ってきたようなあれこれの心配はないのでは？
ほら、以前箪笥に…」
壬「嗚呼分かった!!もう言うな!!」
『箪笥？…え、何、泥棒とかに遭ったんですか？』
壬「今のは聞かなかったことにしてくれ」ﾆｯｺﾘ
『…御意』
若干引いたのであった。
壬「＿では、頼んだ水連。私は仕事をしている間、色々教えてやってくれ」
こうして猫猫は後宮ではなく、外廷勤めとなった。
『…さて、久しぶりの医務局だし…あ、待ってあんな所にいい薬草』
「なんであなたみたいなのがあの方に雇われているの？」
猫「…」
…え、何これ。
『…』ﾆｯｺﾘ
壬「!?」
壬氏様発見。
何してるんだ？
あ、なんで此処にいるかというと…
＿水「A、これを頼めるかしら？」
『あ、はい。生姜湯ですね。すぐ持ってきます』
おつかいを頼まれたからだ。
何で私なんだろうね。
猫「えーと…つまり、
あなた方は私に嫉妬しているのですか？」
『フッ』
慌てて口を覆う。
パンッ
「嫉妬ですって…!?人を馬鹿にしてるの!?」
いや黒い。
猫「まさか私が特別扱いされていると？」
「そうなの？」
「どういう関係なのよ、あの方と？」
猫「そんなことあるわけないでしょう？あの天女ような方が醜女の私を相手にされるとでも？」
いや猫猫は醜女ではない。
猫「あの貴人がそんな悪食でしょうか？目の前に鮑や猪肉があるのに、わざわざ鶏がらを選びますか？それは特殊趣味なことで」
壬「」ﾋﾟｸｯ
猫「そうですか〜〜〜あれほどの美貌のお方が特殊趣味…」
「そ、そんなわけないでしょ!?」
「失礼ね、あなた!」
『ふっ、あっはははははは!!』
猫「!?」
「!?…A様!?」
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雫(プロフ) - カラメルプーリンさん» ありがとうございます！頑張ります (2021年1月5日 21時) (
レス) id: 8059e3f627 (このIDを非表示/違反報告)
カラメルプーリン - 面白い、、、更新めちゃくちゃ楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2021年1月5日 20時) (レス) id: 836661e0c9 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年12月22日 0時) (レス) id: 8059e3f627 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 面白いです！私も友達に勧められてハマった民なので・・・応援してます (2020年12月20日 15時) (レス) id: 9f4a8dbb0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2020年11月30日 22時
