弐拾捌 ページ35
数日後＿
花街に麗しい貴人と、少女が現れる。
緑青館の主も目がくらむような金子と
何故か虫から生えた奇妙な草を持ったその貴人と少女は
一人の娘を所要した。
猫「ﾊﾟｧｧｧｧｧ」
壬「…」
『良かったなぁ、猫猫』ｸｽｸｽ
猫「嗚呼!!」
高「(妓楼の主との話はついたが…＿さて、どういう口実で小猫を宮中に戻すか考えなければ)」
梅「はいはい、これもこれも持って行きな!!」
猫「こんなにいらないよ、小祖」
梅「何言ってんの！後宮じゃもっと上品なもん使ってる連中ばっかでしょ？」
『嗚呼、それは…』
猫「私が戻るのは後宮じゃなくて外廷なんだ」
梅「外廷って…お役所があるところ？なんで？」
『一度解雇になったら、元にいた場所に戻るのは難しいんだってさ』
梅「ふーん」
梅「外廷勤めってさ、後宮女官と何が違うの？」
『後宮女官は誰でも入れる。人攫いが売りに出すぐらいだし』
猫「そうそう。で、外廷の官女は試験があって、それに通らないとなれないんだ」
『あ、そうそう。猫猫、ちゃんともらった参考書読んだか？』
猫「うっ…」
『ちゃんと読め』
梅「…猫猫、やっぱりこれ全部持って行きな！」
猫「えっ、こんな高級な物いいよ！」
梅「外廷勤めの官女なんて、それこそイイトコ育ちのお嬢さん揃いよ。
そばかす落として舐められないようにしないと！」
猫「化粧より調合道具をもっと持って行きたいんだけど…いてっ!!」
梅「猫猫〜!!あんたも少しは頂いた仕事に見合う人間になろうと努力しなさい!!」
『猫猫は顔が良いんだから。そばかすは落そう、な？』
猫「Aが言うか？」
梅「とにかく!!感謝しながら生きてかないと、バチが当たるんだからねっ！」
猫「…はい」
猫猫に向けて飛ばされた木簡をひろう。
梅「猫猫。せっかくいいところに勤められるんだから、しっかり稼いできなよ」
猫「はい」
梅「んでもって、いい金持ちがいたらどんどん緑青館に連れてくるんだよ〜」
猫「はいはい」
梅「Aもね!!」
猫「そういや、なんでAがいるんだ？」
『嗚呼、休みをもらったんだ。ずっと働きっぱなしだったから、だそうで』
猫「へぇ…」
『いい金持ちか…梅梅小祖にお似合いな人…いるかなぁ』
梅「何、私は理想が高いって？」
『違う違う。梅梅小祖みたいな美人さんに似合う人、なかなかいないからさ』
梅「もうっ、Aったら！」
意外にお茶目である。
『んじゃ、私は戻るよ。また会おうな』
猫「嗚呼」
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雫(プロフ) - カラメルプーリンさん» ありがとうございます！頑張ります (2021年1月5日 21時) (
レス) id: 8059e3f627 (このIDを非表示/違反報告)
カラメルプーリン - 面白い、、、更新めちゃくちゃ楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2021年1月5日 20時) (レス) id: 836661e0c9 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年12月22日 0時) (レス) id: 8059e3f627 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 面白いです！私も友達に勧められてハマった民なので・・・応援してます (2020年12月20日 15時) (レス) id: 9f4a8dbb0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2020年11月30日 22時
