弐拾弐 ページ27
里「！？どうしてそれを…」
高「小猫、こちらで良いですか？」
猫「はい。運んで頂いてすみません、高順さま」
高「構いません、小猫は後宮外の書庫へは入れませんから」
『ん？猫猫、それ。何の書物？』
高「十年前から二十年前の後宮の記録です。なんのために？そんな古いものに何か＿」
猫「高順様。それは＿」
高「はっきりするまでは言えない、ですね。分かりました」
『へぇ…私も読んでいいか？』
猫「うん。頼む」
『嗚呼』
猫「A」
『何かあったか？』
猫「これ。読んでくれる？」
十七年前の記録…？
『わかった。ちょっと待ってて』
猫「うん」
＿十七年前…主上の東宮時代、阿多妃は子を授かる。阿多妃は現帝の乳姉妹で、東宮妃は彼女一人だけだった。
同時期に皇弟も生まれている。
＿体が弱くて姿を見せないという皇弟。
…今は十七というわけか。
阿多妃の産んだ男児は、乳幼児のうちに死亡。
立ち会った医官は男児を死なせた罪で後宮を追放されている＿
その医官の名を＿
『は…？羅門さん…？』
猫「嗚呼」
あの羅門さんって後宮にいたんだ…。
いや待てよ。
『乳幼児の時に死んだということは、一応無事に産まれてきていた、ということだよな。じゃあ何が原因でその男児は死んだ…あ』
猫「そう。Aが今気づいた奴だ」
『なるほどな。さすが猫猫』
当時のその男児の世話係＿
『猫猫、風明様に聞きに行くの本当に一人で大丈夫か？』
猫「うん。私も本当の事知りたいし」
『そっか。気を付けてな』
猫「嗚呼、行ってくる」
多分大丈夫。
猫猫の事だろう。
とことんと片付けてくる。
数時間後＿
猫「ただいま…」
『猫猫！おかえり。どうだった？』
猫「風明様だった。あの方の実家、養蜂家だろ？やっぱり赤子に蜂蜜を食べさせて死なせてしまったみたい」
『うん、やっぱりな。で、火傷の方は？』
猫「里樹妃暗殺未遂の毒を入手するために、外部と連絡を取っていたらしい。でも、失敗に終わった。だから首を吊って死のうとしたみたいなんだが、そこにいたあの下女が”自分が死ぬ”って言ったらしい」
『…ということは他殺ではないんだな？』
猫「嗚呼。遺書も風明様が書いたみたい」
『そっか。報告ありがとう。お疲れ様』
猫猫の頭を撫でる。
猫「これが壬氏様だったら振り払ってた」
『え、嫌なのか。あの天女様だぞ？』
猫「なんか嫌だ」
『ふふっ、そっか』
よし、壬氏様に言っておこう。
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雫(プロフ) - カラメルプーリンさん» ありがとうございます！頑張ります (2021年1月5日 21時) (
レス) id: 8059e3f627 (このIDを非表示/違反報告)
カラメルプーリン - 面白い、、、更新めちゃくちゃ楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2021年1月5日 20時) (レス) id: 836661e0c9 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年12月22日 0時) (レス) id: 8059e3f627 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 面白いです！私も友達に勧められてハマった民なので・・・応援してます (2020年12月20日 15時) (レス) id: 9f4a8dbb0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2020年11月30日 22時
