壱拾捌 ページ22
『…下女のほとんどは字が書けない。つまり、遺書を書いたのは字が書ける位の高い誰か。あと、里樹妃暗殺を企てていたということは、協力者もいるということです。その下女の方の仕事場、上司を調べるのが宜しいかと』
壬「分かった。他に何かあるか？」
『下女の方がどう塀を登ったか、と思うと梯子で登った可能性が高いです。塀の角の所に登れそうな突起があったと猫猫から聞いています。しかし、彼女は纏足だった。つまり、その突起ではなく、梯子で登った。ということは誰か協力者がいる。ということは多分猫猫も気づいているかと』
壬「そうか…あの下女には火傷痕が無かった。木簡の主が里樹妃に関わっていると思っていたんだが…何か引っかかる」
『…火傷痕…調べます？』
壬「え」
『まずは下女の関係者…まぁ職場仲間や上司を調べるのが先かと』
壬「そうだな…とりあえず薬屋を＿」
猫「失礼します！あの、少し宜しいでしょうか？」
『お、噂をすれば』
壬「丁度、呼びに行こうと思っていたところだ」
猫「死ぬならどんな毒にしようかと」
『…』
壬「…死ぬ気か？」
猫「まさか。でも、もし私が処刑されるようなことがあれば、毒殺にして頂けませんか？もし私が粗相した場合処分を下すのは壬氏様でしょうから」
壬「…ﾊｧ…何故そんなことを言う？」
猫「…すみません、調子に乗りました。縛り首でも斬首でも文句は言いません」
壬「だっ…なんでそうなる！」
猫「私が平民だからです。吹けば飛ぶような軽い命ですから」
壬「…そんなことはしない」
猫「する、しないではなく＿できる、できないの話です」
『ふふっ、失礼。あ、壬氏様、私も毒殺が良いです。何なら強い毒を』
壬「お前…！」
壬「見つかった」
『お、そうですか…。誰ですか？』
壬「…柘榴宮、阿多妃の侍女頭、風明」
『…え、あの風明様ですか？』
壬「そうだ」
風明。
実家は養蜂をしていると聞いている。
…あの方が？
『慎重に行動しないと混乱を招きますね』
壬「嗚呼」
実家は人攫いと関係を持っている…と噂は聞いたことはある。
本当の事は知らないが。
最悪の場合、
『…大量解雇…』
その場合。
多分猫猫も私も解雇される。
だったら…
壬氏様萎れるな。
うん、萎れる。
『確か年末に大掃除でしたっけ？があるんでしたっけ』
壬「嗚呼。そこで薬屋とAに行ってもらおうと思っている」
『潜入捜査…ですか』
壬「嗚呼、頼む」
『仰せのままに』
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雫(プロフ) - カラメルプーリンさん» ありがとうございます！頑張ります (2021年1月5日 21時) (
レス) id: 8059e3f627 (このIDを非表示/違反報告)
カラメルプーリン - 面白い、、、更新めちゃくちゃ楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2021年1月5日 20時) (レス) id: 836661e0c9 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年12月22日 0時) (レス) id: 8059e3f627 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 面白いです！私も友達に勧められてハマった民なので・・・応援してます (2020年12月20日 15時) (レス) id: 9f4a8dbb0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2020年11月30日 22時
