壱拾漆 ページ21
『！』
指が腫れている。
それと…纏足。
纏足の場合、歩行に支障が出る。
…梯子などで塀を登ったのだろう。
老「失礼、ちょっと失礼…」
『あ』
老「うっ…これは…」
猫「…冬場で良かったですね、水死のわりに綺麗で」
『だな…』
水の中は寒かっただろうに。
何故死んでしまったのだろうか。
老「うう、よく直視できるね？嬢ちゃんを連れてきて正解だったよ」
あんた医者だろ…。
猫「外の塀で見つかったのですか？」
『そうらしいよ。やっぱり死体だから浮いてたんだってさ』
老「服から後宮の下女だろうってことで、こちらで見てくれとさ」
『まぁ一応私も薬師だから…ていうことで、な』
老「そうそう。検分するよう言われたんだけど…」
『それは私がやっておきますね。老師と猫猫、触れないんでしたっけ』
壬「それは意外だな。見慣れているように見えるが？」
猫「花街育ちですから。若い女が物陰で死んでいることはよくありました」
『ええ、あそこはそういう所ですから』
壬「何故死体に触れられない？忌みを嫌ってか？」
猫「昔養父に言われたんですよ。”人間の身体も薬になる。＿と知ったら、死体でもなんでも集めたがるだろうからその一線は超えるな”と」
壬「じゃあAは？」
『一応これでも花街では医師でしたからね。死体に触れることはあったんです』
羅門さんからも言われていた。
”医師だからいいかもしれないが、それを薬にはするな”と。
そこまで私欲深くない…。
壬「そ、そうか。薬屋、お前は触れないでくれ。A、検分を頼む」
『…一応終えてますよ。脈はなし、溺死だとしたら、死んでからそう時間は経ってないと思われます』
壬「わかった。薬屋、A、ほかに何か分かったら報告してくれ」
頷く。
猫「分かりました」
『…その下女の方の持ち物は？』
壬「今朝、荷物調べをした」
『へぇ…で、結果は？』
壬「遺書が出てきた」
『そうですか…内容は？』
高「園遊会での毒物事件に関わっていたこと、里樹妃暗殺を企てていたと、遺書にあったそうです」
壬「…なぜ尚食の下女が妃の暗殺を企む？毒は何処で手に入れた？すべて一人でやったのか？」
高「それはまだ分かりません」
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雫(プロフ) - カラメルプーリンさん» ありがとうございます！頑張ります (2021年1月5日 21時) (
レス) id: 8059e3f627 (このIDを非表示/違反報告)
カラメルプーリン - 面白い、、、更新めちゃくちゃ楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2021年1月5日 20時) (レス) id: 836661e0c9 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年12月22日 0時) (レス) id: 8059e3f627 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 面白いです！私も友達に勧められてハマった民なので・・・応援してます (2020年12月20日 15時) (レス) id: 9f4a8dbb0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2020年11月30日 22時
