壱拾肆 ページ18
『猫猫、あれの方が早くないか』
猫「だな。それ、あのあとは誰も触れていませんか？」
高「ええ」
粉を塗し、息を吹きかける。
猫「これ、何かわかりますか？」
高「指の跡？」
『腐食しやすい銀に素手で触れれば、指先の脂で跡が残るんです』
猫「これだと…おそらく四人、触れたものがいます。羹をよそった者、配膳した者、里樹妃の毒味役ーそして、毒を盛った犯人」
高「ん？毒味役？毒味役がなぜ器に触れたのです？」
『入れ替えるためです。玉葉さまの膳と』
高「入れ替えたって…なんのために？」
『いじめです。里樹妃、園遊会で一人だけ浮いてましたよね？』
高「…」
『他の妃は五行に沿った色を纏い、侍女もそれに準じていた。なのに里樹妃は一人、外れた色を着ていた。それに、食べれないものが入っている膳と入れ替えた。すべては里樹妃に恥をかかせるために』
高「何故それをあの場で言わなかったのです？」
『あの場で言っていたらどうされました？…できればもっと早くに気付いていたら良かった』
あの場で言っていたら、きっとあの侍女は大恥をかくことになっていただろう。
里樹妃も、信用していたのに裏切られている状況。
下手に口出しをしてはならないと思う。
猫「侍女のーまして毒味役の命など、軽いものです」
『まぁ主を守れるなら、私は良いんですけどね』
高「…」
『んくくっ…』
あの事件も、一件落着…か、した。
なんか一気に疲れたような気がする…。
愛「A、これ猫猫に持って行ってくれる？」
『あ、はい』
お茶会で余ったお菓子。
いつも貰う。まあ美味しいから有難いんだけどな。
『猫猫ー』
猫「あ、A」
『これ。…お？」
蘭「…もしかして、A様…ですか？」
『ええ、そうですけど…猫猫、こちらは？』
猫「小蘭。後宮下女の女の子だ」
『私はA。見た感じ同い年みたいだし、敬語と様はなし』
蘭「うん！A！」
え、普通に良い子…。
『菓子。一緒に食べるか？』
蘭「いいの？」
猫「いいよ。な、A」
『もちろん』
何故私を知っているのか。
聞いてみた。
蘭「医務室勤めの翡翠宮侍女、A。訓練もしていることで有名だよ〜」
『えっ、めっちゃ噂にされてるのかそれ』
蘭「まぁそんな感じ！あ、そうそう！」
猫「なんだ？」
蘭「二人は園遊会に出たの？」
『出た出た』
蘭「じゃあ毒を食べたの誰なの？二人のとこの侍女なんでしょ！？」
『あー』
隣にいるよ…。
猫「さあ？」
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雫(プロフ) - カラメルプーリンさん» ありがとうございます！頑張ります (2021年1月5日 21時) (
レス) id: 8059e3f627 (このIDを非表示/違反報告)
カラメルプーリン - 面白い、、、更新めちゃくちゃ楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2021年1月5日 20時) (レス) id: 836661e0c9 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年12月22日 0時) (レス) id: 8059e3f627 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 面白いです！私も友達に勧められてハマった民なので・・・応援してます (2020年12月20日 15時) (レス) id: 9f4a8dbb0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2020年11月30日 22時
