-脱オトウト宣言- / 김규빈【完】 (ページ31)

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これが、恋と呼べるのか分からない。
ただ、ギュビンの呼ぶ声が案外頭から離れないのは紛れもない事実だった。

キョーダイだから生まれた慈愛なのか
正解はきっと導き出せない。

手を繋ぐのも

抱き締められるのも

触れるだけのキスも

全部、嫌じゃなかった。
心のどこかで、許している自分がいたの。

ｷﾞｭﾋﾞﾝ「…何そんな息切らして、」

『……好き？』

ｷﾞｭﾋﾞﾝ「…何が、」

『今でも、私のこと、』

君が頷いたら、といって
特に変わるわけでも何でもない。

ｷﾞｭﾋﾞﾝ「…うん。」

少し口角を上げて、笑うギュビンをずっと見ていたい。
この心の違和感に、まだ名前は付けられないけれど。

『…好き、かもしれない、』

ｷﾞｭﾋﾞﾝ「……え、」

『ギュビンのせいで、頭のなか、』

ぐちゃぐちゃなの、と言えば
頬に手が触れて、そのまま受け入れた。

3回目のキスは、悲しい味じゃなくて
ほんのり甘い味がした。

　