-脱オトウト宣言- / 김규빈【完】 (ページ22)

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『こんにちは、ハンビン君。』

ﾊﾝﾋﾞﾝ「A先輩、いらっしゃいませ。」

珈琲の香りが鼻を掠めて、ゆったりとした時間の流れが心地良い。

暇な時にはハンビン君のカフェに通って
今ではすっかり常連になりつつあった。

『ハンビン君の淹れる珈琲って
なんでこんなに美味しいんだろう。』

ﾊﾝﾋﾞﾝ「…嬉しいです。」

『家じゃ、なかなか出せない味だよね。』

ﾊﾝﾋﾞﾝ「そうですね、やっぱり、専用の機械も必要ですし…」

かなり打ち解けたということもあって、
心を開いてくれたハンビン君。
相変わらず顔の良さが際立っていた。

ﾊﾝﾋﾞﾝ「…あの。」

『ん？』

ﾊﾝﾋﾞﾝ「ハンビンで良いです。」

『…あぁ、…じゃあお言葉に甘えて。』

ハンビン、と呼んでみたら少し軽くなった響きと、優しい目で見つめてくるハンビン。

ﾊﾝﾋﾞﾝ「Aヌナ、って呼んでも良いですか？」

はにかみながらそう言った彼のヌナ呼びは、
全く違うのに、昔のギュビンが呼ぶそれと何故か似ている気がした。