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宣伝する店主 ページ5

「殺そうとするのは勝手ですけれど、黙って殺られるつもりはありませんよ?それに、苦しんでいる人を放っておくような素敵な人間ではないんですよ、私は」



ポケットを漁れば手にすっぽりと収まるサイズのカード

宣伝用にいつも持ち歩いている物だ


「喫茶店を経営しているんです。体に良いハーブティーも用意してありますよ。1度いらっしゃってください。」



彼の背後でゆらゆらと動いている黒獣(?)には目もくれず、唖然としている彼にカードを押し付ける

「なっ、僕はこんなもの___」

「では、私はこれで。もう咳は落ち着いているようですし」



新しいお客様も確保出来たところで、この場所に用は無くなった


彼から少し距離をとり、背中に力を入れる


そして、


「ご来店、心よりお待ちしております」



タンっと勢いよくコンクリートの地面をければ、体に良く馴染んだ浮遊感


外はもう暗いためこのまま飛んで帰っても人に見られて騒ぎになることはないだろう、などと考えていると、



「__うわっ!?」



何かが足に巻き付き、強い力で下へ下へと引きずり降ろされる



足首に視線をやるとそれは真っ黒の何か

さらに視線を下ろせば、それがあの男性の仕業だと分かる



最初こそ抵抗して必死に抵抗していたが遂に力負けし、どんどん地面との距離が近づいていく



「ちょ、落ちる!って、いやぁぁああ!!」



私はここで死ぬんでしょうか。

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作者名:しゃちほこ | 作成日時:2018年3月14日 21時

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