【ars】〜５つの恋〜社内恋愛しませんか？【出会い編】

２３．決意 ページ23

後「Aさん！」

階段で１階にむかって下っていると山田ちゃんが急に立ち止まり神妙な面持ちで私を呼んだ。

主「どうしたの？」

私も立ち止まり山田ちゃんを見る。
階段には他にも社員たちが上や下に向かって上り下りしているので私たちは邪魔にならないように端によった。

後「私、決めました！」

山田ちゃんは真剣なまなざしで私を見つめて言った。

主「決めた？ 何を？」
後「すぐには無理だと思いますが、私も本社に勤めたいなと…」
主「え！？ 本社に勤めたい？」
後「はい。だから異動願いを出す事を決めました！」
主「異動願い？」
後「はい。今日、実際に本社の色々な部署をみてここで働きたいなと凄く思ったんです。だから決心しました！」

山田ちゃん、途中で真剣な顔をしていた時があったのはこれを考えてたんだ。

後「Aさんが本社勤務を心配しているのもよくわかるのですが、こんな凄い所で働けるななんて凄い事ですよ！プレッシャーとか考えず一生懸命やってればきっと結果に繋がるっていつもAさんが言ってたじゃないですか！？」

確かに横浜支店で大きなプロジェクトがある時いつもこう言ってみんなと乗り切ってきた。

後「だから私、絶対に本社勤務になってみせますから、Aさんも頑張って下さい！」

山田ちゃんの決意になんだか私が励まされちゃった。

主「山田ちゃん、異動願いってなかなか通らないけど、いつか本社で一緒に働ける時がくるのを楽しみに待ってるね！ 私が手伝える事があったらいつでも言ってね！」

勤務歴が浅い山田ちゃんが本社に来るのはまだだいぶ先になるけどいつかそうなったらいいね、山田ちゃん！
私は心からそう思った。

主「さあ！山田ちゃん！急いで１階に行かないと！！」
後「ですね！！お待たせしちゃってたら申し訳ないですからね！」

私達は急いで１階へ向かった。

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