【ars】〜５つの恋〜社内恋愛しませんか？【出会い編】

２１．総務部のアイドル（２）　 ページ21

村「あいつ、朝釣りに行ったって言ってたからな〜」

村田さんが呆れ気味につぶやいて大野さんの机にむかった。

総務部の入り口付近で待つ私達に周りの人たちからの視線が突き刺さる。

後「なんか、今までの部署と違って人が沢山いるから居心地悪いですね」
主「うん。なんか目立ってる気がするよね、私達」

そう言いながら大野さんの方をみると村田さんと楽しそうに話している。
そして、席を立ち村田さんと一緒にこちらに歩いてきた。
周りの女子社員たちが一斉にその姿を目で追いコソコソと話をしている。

村「待たせたな！なかなかこいつが起きなくてな！」
大野「すいません。待たせたみたいで…」

ほんの少し頭を下げて大野さんは言った。

主「こちらこそ、すいません。邪魔してしまいまして」
村「仕事中に寝てる奴に謝らなくていいぞ！」

村田さんは笑いながらそう言って「じゃあな！」と言うと
自分の席に戻っていった。

大野「ここじゃあなんですから、あちらでもいいですか？」

周りの空気を読んだのか少し離れた廊下を指さされる。

主「はい。」

３人で移動して自己紹介をしてから本題に入る。

主「実は頼まれものを渡しに来たのですが…」

私の言葉に山田ちゃんがカバンからチョコの包みをだして差し出した。

主「横浜支店の子達からです」
大野「え？もらっていいの？ありがとう！」

そう言うと大野さんはふにゃ〜と笑った。
山田ちゃんは思わず顔をそむけ照れている。
この人すごくほんわかとした雰囲気なんだな。
そんな事を思っていると

大野「あ！君たち魚好き？」

突然大野さんに質問された。

主「魚…ですか？」
後「熱帯魚とかカワイイから好きです！」
大野「あ…じゃなくて今朝釣りに行ったら沢山釣れてよかったらいらないかなと思って」
主「釣った魚ですか…新鮮な魚おいしそうなんですが電車で支店まで帰らないといけないので…」
大野「そっか〜。そうだよね〜」

そう言うと大野さんはまたふにゃ〜と笑った。

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