25話 ページ26
それからあたりが暗くなるまで合宿所の外にいた。
さっき練習場に行ったら誰もいなかったし、今日の練習は終わったのであろう。
ギュッとAは右手に持っているものを握りしめた。
さっき落とした台本。端っこに置かれていて持ってきてしまった。
木の階段に座り、ぺらぺらと台本をめくる。
綴はボクの事を考えて、モルジアナの喋り方も俺風にしてくれてる…
『セリフ少なめって……これのどこが少なめだっつーの……』
『……私はモルジアナ。…ところであなたはここで何をしているのか……し、…ら…』
一つのセリフを言うだけであの頃の場面を思い出す。
『…っ………はぁ』
皇｢…何してんだ｣
『わぁっ、！！？』
皇｢うぉ！？てめぇ、驚かすなよ！｣
『驚かしてきたのはアンタの方でしょ！？』
後ろから急に声をかけられビックリしてしまい、握りしめていた台本を地面に落としてしまった。
皇｢お前それ…台本………｣
『違う。ただの紙だから』
皇｢いや、台本だろ…｣
『違うから』
皇｢……｣
『……』
天馬はボクの隣を間をあけて座った。
皇｢…オレが呼んだ｣
『は？』
皇｢オレがお前をこの合宿に呼んだ｣
『………姉さんじゃないんだ』
皇｢あの時。お前が寮から出て行った時に言った。劇なんて大嫌い。の言葉が頭に思い浮かぶんだよ｣
皇｢正直 イラついた なに抜かしてんだっとも思った｣
皇｢けどお前、出ていく時泣いてた｣
『…、！』
皇｢あれはお前の本心じゃねぇってオレは思った｣
『………』
皇｢監督から知ってることは聞いた。小三までは演劇習ってたって。けど、小二から傷をつけて帰ってきたって｣
『…っ』
皇｢………昔 何があったかオレにはわかんねぇ。わかるはずがねぇ。けど。｣
皇｢……お前が劇の事を。監督の事を嫌いじゃないってことは。オレにでも分かる。｣
『……知ったような口聞くな……』
皇｢……おう｣
『うざい……』
皇｢…おう｣
『劇なんて大っ嫌い…』
皇｢…｣
『…なんでアンタはここにいんのさ。晩御飯は？』
皇｢……喧嘩した｣
『は？幸と？』
皇｢まぁそうだけど……一成に酷いこと言っちまった｣
『はっ、ざまあ』
皇｢なっ、！オレは…っ………………はぁ…｣
立花｢あ、いた｣
声がした方を向くとお皿を二つ持っている姉さんがいた。
『姉さん…』
皇｢……なんだよ｣
立花｢Aもいるし。丁度良かった｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 223人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kinghts推しの陰キャ - 面白いです。更新頑張ってください！ (2019年6月8日 8時) (
レス) id: 3e08522e7d (このIDを非表示/違反報告)
哲弥(女) - 面白いです 頑張ってください (2019年6月2日 22時) (レス) id: 9dda0ba0f7 (このIDを非表示/違反報告)
笹(プロフ) - aaaallさん» わざわざ教えて下さりありがとうございます。直させていただきました。 (2019年4月13日 17時) (レス) id: ad83c762d8 (このIDを非表示/違反報告)
aaaall - 9話での監督のセリフ、気をつけるが気おつけるになっています。また、10話の監督のセリフ、ロミジュリ公演がロミジュリ公園になっています。訂正お願いします。 (2019年4月13日 10時) (レス) id: 73bb2a28be (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：笹 | 作成日時：2019年4月11日 10時
