【男主】天才と言われるのが嫌いな天才 2 (ページ24)

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72話ページ24

｢よく聞け。この試合だけは何があっても全力でやるんだ。
大事な緒戦だ。万が一にも足をすくわれるわけにはいかん｣

｢わかりました。皆もいいな行こうか｣

全中第一回戦。監督は難しい顔で言った。

征はそれに応え、試合が開始する。
そして、わかりきっていた試合だった。

｢ありゃ…
ちょっと本気でやりすぎちゃったっスかね？｣

｢ね――｣

｢やっぱ話になんねーなー
次からまたあれやるか｣

｢…フン！｣

｢行くぞ整列だ｣

結果は198-8

190点差という、誰もが驚く試合だった。

この後続いた二試合でも言うことなく帝光は圧勝。

二日目も当然のように試合に圧勝。いつも通りの点取りゲームだった。

そして、三日目最終日

｢決勝は明洸ってとこみたいっスね｣

｢ふ～ん、まあどこでも一緒じゃん～？｣

決勝は明洸というチームと戦うことが分かった。
俺達はまだ決勝に行くと決まっていない。

俺達の次の試合は去年手こずった双子がいるチームだった。

そして、テツヤはスターターから出たいと監督に頼んだ。
監督は俺にもスターターからでるか？と聞かれたが断っておいた。

そして、試合が始まり二十分後。相手はどんどんと点差が開いていく事が焦りになり、双子の片割れがテツヤの頭に肘をぶつけ、テツヤは倒れた

テツヤが負傷したにも、試合は圧勝。
キセキフルメンバーが出ずにでも圧勝するほど。キセキの世代は強い。

そして、この試合には俺も出なかった。
いや、温存をしとけと試合に出してもらえなかった。

俺は試合が終わったらテツヤが眠っている部屋に向かおうとすると、後ろから声をかけられた。

｢明洸中の荻原シゲヒロ
友達の見舞いに来たんだ｣

どうやら次の試合チームの方が俺に話しかけてきたようだ。
だから、テツヤはスターターから出たかったのかと納得した。
だけど、なぜ俺に話しかけた？

｢ところで、アンタはバスケやってて楽しいか？｣

確かこんな事。前にもテツヤに聞かれたな。
流石テツヤの友達、似てるなぁ

考えていることも、そしてその目も

『………』

『わからない。』

『前は凄く楽しかった。けど、今はあのチームで勝っても喜べないんよ最近』

｢、！！｣

『ごめんね ……次の試合よろしく。』

俺は彼の目線から逃げるようにテツヤの部屋に向かう。