71話 ページ23
予選第二回目は、また次の日に行われた。
そして今日の試合に、テツヤは疑問を持った。
｢黒ちんどーかしたー？｣
｢今日の試合…なぜあんなことをしたんですか？
ボクは何か…… 違う気がします｣
｢何言ってんすか 黒子っちー。遊びっスよ遊び！
つまんない試合をちょっとだけピリッとさせるスパイス的な？ ｣
｢でも…あんなやり方は 相手に失礼だと思います…！｣
やっぱり凄いな……テツヤは…
俺が言えないことを全部言ってる。強いなぁ…テツヤは……俺は…
みんなにそんなこと言えないや………
怖いから…。
俺達は控え室から出、廊下を歩いているといきなり止まったテツヤに真くんは話しかけた。
｢どうしたのだよ 黒子｣
｢生徒手帳です 先ほどすれちがった高校生の人達の。
たぶんとなりの第一体育館に行っていると思います
戻って届けてきてもいいですか？｣
｢わかった。この後ミーティングだ早く戻れ。Aも一緒に行ってやってくれ。｣
『わかった』
｢もし遅くなるようなら連絡を｣
俺とテツヤは届けようと第一体育館に向かった。
『もう、試合始まっちゃってるなぁ……』
どうする？と、テツヤの方を向くとある試合に夢中だった。
｢………｣
『良い……チーム、やね…』
｢…はい。きっと、あの人達はバスケに全力でとりくんでいて、バスケが大好きなんだと思います。
いいなぁ………と、思います。
………行きましょう。そろそろ戻らないと
学生証は係員の方に渡しておいてもらいましょう ｣
『…そうだね』
俺が強かったら、あんなことにはならなかったのかな。
こんなことにはならなかったかもしれない。
｢……Aさん｣
『なーに…テツヤ』
｢……なんでもありません。行きましょう｣
『うん、そうだね』
この日の試合は、昨年よりはるかに超える大差で俺達は全中出場を決めた。
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作者名：笹 | 作成日時：2019年3月3日 17時
