【男主】天才と言われるのが嫌いな天才 2 (ページ16)

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64話ページ16

『あっ…双子だ』

｢珍しいな｣

そんな会話を征とかわし、スタメン、ベンチの皆で円陣を組む。

「これが最後だ。勝てば優勝そして二連覇となる」

「何か言いたいことはあるか？」

「一本でも多く３Pを決める。それだけなのだよ」

「別に」
「なんもねーよ」

「んー、早く終わらせておかし食べたい」

「なんかみんなバラバラじゃないっスか！？」

「フッ…」

『バラバラの個性がかみ合ってこそのチームだよ。共有すべきなのはただ一つ』

「あぁ、そそれは全員できているはずだ」
「勝つぞ！！」

｢「オオ！！｣｣

『頑張れ。俺が支えたる。』

｢あぁ、いつも通りよろしく頼む A｣

『…………ああ。』

置いてかれないように頑張るよ。

コツンっと征と俺の拳が合わせ、5人のスタメンはコートに立った。

俺はベンチで試合を見ていた。
見ていて思ったことが。
ファールを取るのが上手い。特にあの双子君。

今も涼太がやられ、
自分はファールを獲っていないと審判に講義するが、テクニカルファールをもらい、涼太は俺と交代することになった。

『馬鹿やなぁ…ほんま…』

｢うぅ……｣

『まぁ少し頭冷やし、あとは任せて』

涼太の肩をトントンっと落ち着かせるように叩きコートに立つ。

俺も少しやって分かるがやりにくい。
普通はファールにビビってあんまりガンガンといけない。

そして、前半戦が終了し、帝光は26対31で五点失点を許した。

そして、大輝は四つファールを受けていた。

後半戦が始まり大輝はさっきよりはスッキリとした顔で試合に出ていた。
先程監督に連れられていたから何か言われたのかな。

監督は大輝をまだ試合に出すようで、後半からもっとガンガン攻めるといった。

『大輝』

｢…A｣

『落ち着くのが一番大切やで…、向きなっても何も収まらない。だけどガンガン攻めよう』

「…っふ、わぁーたよ」

ぐしゃぐしゃと俺の頭を撫でた大輝は、少しだけど、笑ってくれた。

そして、後半戦では
俺とテツヤが交代し、テツヤがコートに入る。

大輝は先程監督から言われた１on１を仕掛けた。
桃井が言うにはあの双子は小六まで合気道を習っていたらしい。だから、人の呼吸に合わせるのがとくいで、簡単にファールを取らせることができたんだって。

すると監督は、

「入念にすりつぶせ。何より、やられっぱなしじゃシャクだろう？」

と、笑顔で言った。