楽譜11 ページ14
母さんがみている方にはまだ赤いままの信号そして、目の前から一直線に向かってくるトラックだった。
まだ遠い。
けどこれがぶつかれば＿＿
母「A！早く出なさい！！」
『そんな！やだよ！！母さんも……！！』
母「……ごめんね。それは無理。ほら急いで！！言ったでしょう？！天国来られるのは勘弁って！」
『……!!!!また会えるよね！？私！母さんとの約束全部守る！ずっと弾いてるよ！そうする！だからさ！聴きに来てね！私！待ってる！』
母「…………っえぇｯ」
私はシートベルトを取り、急いで車からおりる。
トラックはまだ止まらない、そろそろ本当にぶつかるだろう。
そこからは全てゆっくりに見えた。
歩行者の信号が赤になる。
歩いている人はいなくなった。
それと同時に私の乗ってた……母さんの乗ってる車が急発進する。
まだ車の信号は赤いままだ。
トラックも進んだまま。
あぁ……あと少し。
嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
『嫌だ！！！！！！！！！！！！母さん！！！！！！』
声は無惨にも届かなかった。同時になった音で全てかき消される。
ﾊﾞｧﾝ!!
衝突音がする。見たくない。
わかっていた。今は夜で私たちが待っていた方向以外車が待っているところはなかった。
母さんはほかの車を守ったんだ。
あのトラックなら簡単に3台くらい衝突しそうだった。
他のくるまからも人が出てくる。
救急車を呼ぶ人や騒ぎ立てスマホを構える人たくさんいる。
誰か……恐らく私たちの車の後ろで信号を待っていた人が私に駆け寄ってくる。
「！！君、もしかして古風Aじゃないかい(小声)」
親切な人だったようでバレないようジャンバーを貸してくれ寄り添ってくれる。
けれど私はそれどころじゃなかった。
母さんが…死んでしまったんだ。
……まただ。私がコンクールにでたらまた人が……また人が死んだ。
『やだ……母さんが母さんがぁ……！』
「……やはり君のお母さんが…大丈夫。……今はいっぱい泣きなさい。」
『母さんは…！母さんはわたしが……！！うわぁあぁぁぁ！！！！』
その後父さんがやってきて2人で泣きじゃくった。
記者もやってきたが、あのジャンバーを貸してくれたお兄さん？が助けてくれた。
父さんが一生懸命お礼を言っていた。
けど、この出来事はまだ私に大きな影響を与えることになる
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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作者名：sasakure_kirai | 作成日時：2022年1月1日 5時
