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プロローグ ページ2

「おはよ〜」
「おっはよ〜A」

今日は一限から授業があるということで、大学の最寄り駅にて花美と待ち合わせをした。
昨日はスマホを見ながら寝落ちしただの、テレビで好きな歌手が出ただの他愛のない話をしつつ通学路を歩く。
今日は二限まで授業だ。


そんなこんなで大学に着き、授業を受ける。
人が多い授業なのをいいことにこっそりスマホを操作する花美を横目に、私は居眠りをする。
いつもと変わらない日常だ。

そう、ここまでは。



「ね、A」
「………」
「起きろよ!!」
「だぁッッ!?…え、ちょ、なに」

一限が終わり、休み時間。いきなり脇腹をつついてきた花美。思わずムッとすると、彼女は頭上にはてなマークを浮かべながら疑問を投げかけた。

「今日さ、西園寺来てなくない?」
「え、恵果?」

そういえばそうだ、今日は恵果が来ていない。
いつも無遅刻無欠席な彼女が来ていないのは妙だ。

「まぁでも、たまにはあるんじゃない?風邪引いたりとかさ」
「そりゃそうかもしれないけどさぁ。メールとか来てないの?あの子律儀じゃん?」
「あ〜。待って待って」

スマホを付ける。プリンの写真の待ち受けには、恵果から二件ほど着信が来ていた。

「ほら〜〜!!ほらほら〜〜!!言ったじゃん〜〜!!見ろよA〜〜!!」
「うるせぇ!!!!!」

全力で煽ってくる花美を尻目に、「ちょっと待ってろ」だけ言い電話をかけに教室を出る。
「あいよ〜」と花美はぴらぴらと手を振っていた。




「もしもし、恵果?」
「!!Aちゃん〜!!電話に出ないからどうしようと思って、Aちゃんも何かあったのかと思って〜〜!!」
「落ち着いて落ち着いて、ごめんね。授業中だったからさ」
「そっか、何もないなら良かったよ」

本当は寝ていたのだけれど。少々罪悪感を覚えつつ本題に入る。

「で、なにかあった?」
「…あのね、Aちゃん」
「?」
「助けて!!!」
「……え、何かあったの?事件とか?え、ちょ、」

真剣な声に思わず慌ててしまう。オロオロしている彼女が言った言葉は、思わず首を捻った。


「うちに、うちに外国の人が沢山来てるの〜!!」


「…は?」

思わず聞き直した直後。

「Bonjour♡」
「Chao〜〜!!」
「Hello!!!」

「!?!??」

突然耳に襲い掛かる異国の挨拶の数々。

何より耳を疑ったのは、


それらの声は、全て聞き覚えのあるものだったからだ。


―続く―

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作者名:ねこまんま | 作成日時:2018年11月11日 14時

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