【ぼくらの理科室】白衣の袖からﾁｮｺﾎﾞｰﾙ“恋のMedicine”

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A「あ、美紀〜！」
練武館を後にして、Aは美紀に駆け寄る。
時間もジャストだった。

A「美紀〜？」
美紀「おっおつかれー!」
A｢おつかれー！」
『どうだった？』 二人一緒に聞き合い笑った。
初めての部活動。
中学生になったんだという実感がうれしいのはどちらも同じ。

頑張って、いけるかな？


.


美紀「もぉー超楽しい！ヤバい！センパイ優しいしー憧れの
ソフトボールだしぃーあのさ、少し打たせてもらったんだよね！
あの打つかんじ！燃えてくるーーー！！！！」
A「美紀ちゃーん落ち着いてーw」
いつも以上のテンションでまくしたてる美紀をみれば
相当楽しかったんだろうなぁと自分も笑顔になれた。

美紀「それでさーでもぜんぜん投げれなくてさー！変なトコに
投げちゃうし、練習して上手くなりたい！それでなにより･･･
････そう！ 打たせてもらったんだ！！」
A「それ今聞いたよ(笑)」
美紀「お だ、だよね！スマソスマソ。Aは
どんな感じだった？？？」
A「うん！ 良さげ！」
美紀「・・・ww でww？」
A「うーん･･･？ 先輩いい人ばっかだし雰囲気も
いい感じで安心＾＾」
美紀「えー もっとさ、感想あるだろww」
A「とってもたのしかったですーーっwww」
そしてまた笑い合う。


(だけどね、美紀)


Aは正直不安だった。

実はというと、あのあと先生は職員室に帰ってしまい
それ以降は姿を見せなかった。
いざ先生もいないとなると、本当に心配になる。


なんの知識もないのに大丈夫だろうか。

軽い気持ちで入部したことを、今更心配する。
美紀が一緒じゃないのも、実は不安だった。
(同じ部に入ったら良かったのかな)
ずっと一緒だった親友だ。やっぱり心細い自分がいた。

A「実はね････ちょっと不安」
美紀「え どした？」
A「やっぱり美紀と一緒の部に入ればよかったかも」
美紀「wwwどうしたのww照れるじゃんww(笑)」
どんなときも明るくて、人付き合いがうまくて溶け込みやすい
気さくな美紀がうらやましい。


美紀「大丈夫だって！ 寂しくなったら抜け出しておいでwwね？」
A「･･･うん！」

明日は土曜日。(美紀「部活アリだよ✩嬉しーー！！！」)
中学校の最初の一週間が過ぎた。

美紀の言葉で、不思議と不安は消えていた。

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