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太宰「まず裏切り者に敷石を嚙ませ
後頭部を蹴り顎を破壊
激痛に悶える犠牲者をひっくり返し胸に三発」
敦はうぅ…と恐れるように声を出す
杉本は正確にはそうですが…と口にする
太宰「この手口はマフィアに似ているがマフィアじゃない
つまり…」
箕浦「犯人の偽装工作…」
杉本「偽装の為だけに遺骸に二発も打つなんて
…酷い」
あーあ、云っちゃった…
乱歩「ぶー−!!」
いきなりの乱歩の声に杉本は大声を出して驚く
其の後乱歩に肩をダムダムと叩かれた
乱歩「はい、時間切れ
駄目だね、名探偵の僕には矢張り遠く及ばない
少なくとも君の部下全員僕より優秀というのは
間違っていると証明されたね」
箕浦「いい加減にしろ
先刻から聞いていればやれ推理だのやれ名探偵だの
通俗創作の読み過ぎだ事件の解明は即ち
地道な捜査、聞き込み、現場検証だ」
乱歩ははあ?と声を出し箕浦の方を見る
其の顔は此の男は何を云っているのだ?という風だ
乱歩「まぁだ判ってないの?名探偵は調査なんてしないの
僕の能力”超推理”は一目見れば犯人が誰で
何時如何やって殺したか瞬時に判るんだよ」
そう云って乱歩は眉間をトントンと叩く
乱歩「のみならず、何処に証拠があって
如何押せば犯人が自白するかも
啓示の如く頭に浮かぶ
僕は異能力者だからね」
乱歩は目を開き緑色に瞳で箕浦を見た
箕浦「職業柄、異能力者の存在は俺も知っている
だが、そんな便利な異能力があるなら
俺たち刑事はいらねぇじゃねか」
乱歩「まさにその通り!漸く理解が追いついたじゃないか」
乱歩は笑いながらそう云うと
箕浦の顔はみるみるうちに
怒りの表情に変わっていき
貴様あああと声を荒げた
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作者名:月夜のジョバンニ | 作成日時:2021年12月6日 0時