心做し

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随分歩いて ついた先は会社の横の公園



小瀧｢…大丈夫？｣



『うん、』



初めからわかってたじゃん

淳太がモテることだって

淳太のタイプが私じゃないことだって

全部初めから分かってたはずなのに



人って貪欲



付き合えただけでありがたく思えない


もっと、もっと、


って欲張っちゃう




小瀧｢ 大丈夫じゃないって顔してるやん ｣



『大丈夫だよ』




のんちゃんは本気で心配してくれてるのに
きつく当たってしまう




小瀧｢ 大丈夫ちゃうやん 、なんで強がんの ｣




『っ、ごめん 』




小瀧｢謝って欲しいわけちゃうねん…

その、嫌やねん 。
強がってるA先輩をみるのが ｣




小瀧｢俺にぐらい素直でおってもええやん。
せめて、Aの中の都合のいい男にぐらいさせてや ｣




『えっ… 、』





小瀧｢なんで気付かへんの？ …すきなんやって 、Aのこと ｣



急な呼び捨てに


いつの間にか変わってたタメ口




それだけの事なのに
少し男らしく見えた




小瀧｢ … ごめん 、今だけ。｣




後頭部を抑えられて


こてん 、と頭がのんちゃんの胸に当たる



ふわっとのんちゃんの香りに包まれた




淳太とはちがって

甘い





平日の昼間

私たちしかいない公園



重たい沈黙が苦しくて



『 私 、馬鹿だよね 』



また、弱音を吐いた




小瀧｢ そう？ ｣


『…わかってるのに、淳太が見てるのは私だけじゃないのに 、』


小瀧｢ んー、まぁそうやな。


…ほんなら 、Aも中間さんだけを見なきゃええやん ｣




のんちゃんが変な人なのは分かってたけど 、




小瀧｢ 俺と 、



…浮気する？ ｣




こんなに変なやつだとは思わなかった







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