【名探偵コナン】…秘密…8【降谷零】

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降谷は風見にAとのことを話したお陰で
心持ち気分が軽くなっていた

無理もない
今まで相談する相手も居なければ
がむしゃらに仕事をしていたのだから


「お前が僕の部下で良かった…」


降谷は穏やかな表情で風見に言った


風見は一瞬驚いた様子で瞬きを繰り返したが
やがて嬉しそうに笑った


「そう言って頂けると幸いです」


先程は冷や汗をかいて
寒さを感じた身体もお酒の力もあってか
温かさを感じている


「風見…、感謝してる」


そう言ってこちらに再びグラスを
傾けている降谷はやはり絵になる


「ありがとうございます」


チン…とグラスの音が鳴って
その後は楽しい時間を過ごしたのだった









「失礼します」


「あぁ、今日はありがとう」


風見と降谷はあれから
暫く酒を飲んでいたのだが
連絡を取るなら早めがいいと
風見に念を押されたため
予定よりも早くお開きとなったのだ



アルコールを摂取したので
降谷は夜の街を歩いて帰宅する


(まだ起きてるだろうな…)


夕方から飲み始めたので
まだ９時を過ぎたころだ


少し冷たい風が
ほんのり火照った身体を冷ましてくれる
考え事をするにはちょうどいい


(とにかく謝ることだ…)


降谷は腕時計を見ながら
自宅への道を急ぎ足で帰った







「フー」


Aに連絡を取ると言ったものの
いざとなると緊張する


(風見は大丈夫だと言っていたが…)


未だにAの泣き顔が頭から離れず
降谷の心をかき乱す


今まで色んなミッションをこなし
どんな人物でも演じてきた

それなのに…
ただ電話をするということが
こんなにも難しいのかと
降谷は頭を抱えているのだ



(いつの間にこんなにも
弱くなってしまったんだ…)



謝るのは当然として
何を言うべきなのか
何度も何度も頭の中でシュミレーションする



(よし…！)



降谷は冷たい水を一気に
乾いた喉に注ぎ入れ気合いを入れた



そして
A Aの通話ボタンをゆっくりと
押したのだった

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