【名探偵コナン】…秘密…8【降谷零】

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遠くで鳥の鳴き声が聞こえ
ゆっくりとカーテンの隙間から
日が差し込んでくる



『ん…』




Aは伸びをして
ベッドから起き上がった




(今日は水曜日か…)









とうとうＸデーがやってきた





狩るもの、狩られるもの
そしてそれを阻止するもの…




この日がそれぞれの運命を大きく変える









「いいか、風見
どうやら組織の奴らは
我々の目を欺き
工作員を今日の会議の出席者の
関係者として迎賓館に紛れさせて
爆弾を配置して行く

爆弾が何処にあるか
正確には分からないが
確実に発見して解体してくれ


お前を筆頭に
小さなグループを作り
目立たないよう少人数で回れ

爆発物処理班から
腕の立つ奴をこちらに手配している

後ほど合流し
手筈通りに進めろ」





降谷の指示が１人、１人
事細かに伝えられて行く


警察庁内のとある会議室である


只ならぬ雰囲気の中
地図を広げ、資料を確認し
刻々と迫るその時を迎える為に
準備をしているのだ





「降谷さん…、どうかご無事で…！」




風見が部屋から出て行く降谷に声をかける




「あぁ、お前もな…

この件が片付いたら
また２人で飲みに行こう…」




フッと笑って降谷はその場を去る





(降谷さん…、約束ですよ…！)





風見は降谷の後ろ姿に
語りかけたのだった









「奴らを根絶やしにするチャンスだ
皆細心の注意を払って行動してくれ…」



こちらはＦＢＩ
ジェイムズからそれぞれ大まかな指示が
あったのだ



ちなみに赤井はその様子を
工藤邸から聴いていた





「漸く会えるな…」





タバコを吸う赤井の頭の中には
宿敵ジンの顔が浮かんでいる




かつて
自分の恋人だった 宮野 明美 の命を奪い

更には現在愛しい相手となった
Aに手をかけた憎き相手




ライフルの入ったバッグの中身を最終確認し
工藤邸を後にした









ザーッ



シャワーを浴びて
ジンはバーボンのことを考えていた




今でもAと２人で楽しそうに
していた光景が目に焼き付けて
離れないのだ



思い出すだけで腹立たしい




「もうこの世に未練はないだろう…

バーボン…！」




やっとこの日が来た思うと口元が緩む



キュッと蛇口を閉めると
長い髪から水を滴らせ
バスルームを出た





そしてお馴染みの黒い服に身を包み
銃を構え微笑む





「The end だ…」









運命の時は確実に近づいていた

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