【名探偵コナン】…秘密…8【降谷零】

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「すまないが、今度の水曜日は
タクシーか何かで通学してくれないか？」




赤井の車の中である





『えっ、赤井さんも来週の水曜日
忙しいんですか？』




Aは先日の降谷との会話を思い出した




「少々野暮用でな…」




まさか、組織が絡んでいるとは
口が裂けても言う訳にはいかない





(零さんも赤井さんも忙しいのか…

まさか、何かあるんじゃ…)




多少の不安を感じたものの
仕事のことに口を突っ込むつもりはない





『わかりました』





Aは返事をすると
窓の外を見た




(来週の水曜日…か… ん？)




いつもAが足繁く通っている
某コーヒーショップの人気メニューの
新作が出ると幟が立っている




(あれも水曜から…

ちょうど良いし水曜日はあれを
飲んでから帰ろ…)





こうして運命の水曜日は
確実に近づいていたのだった









「貴方…公安だったのね…」


暗い倉庫の中
キールの声がする



「はい…、今度の水曜日の件
貴女に協力をしてほしいのですが
構いませんよね？」



こちらも暗闇の中から
降谷が返事を返した




「じゃあ、ＦＢＩから内容を聞いたのね…」




「今回の件、知らせてくれて感謝しています

だが、僕はまだ死ぬ訳にはいかない
命に代えてでも守るべき人がいますので
出来る限り貴女を危険な目には
合わせないようにします

こちらが可能な限りの奴らの情報を
CIAへ提供しますので
僕に協力して下さい」




降谷の声は落ち着いているが
何処か切なさを帯びたようでもあった




「わかったわ…

その代わり、何かあれば
容赦なく貴方のこと見捨てるから」



キールが軽く降谷を睨みつける





「えぇ、それで構いませんよ」



降谷は口の端を少し上げた



(これで面子は揃った…！)







夜は静かに更けてゆく


(Aさんの為にも
この国の為にも
奴らを刈り尽くしてやる…！)



降谷は運転をしながら
拳を強く握りしめたのだった

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