【名探偵コナン】…秘密…5【降谷零】

188 ページ8

安室は頭の中で己と戦っていた…


(これ以上はダメだ！
そもそも彼氏でもない！)


ついつい
Aが可愛すぎてハグをしたものの
自分が告白の返事を
延ばし延ばしにしているのだ


(しっかりけじめをつけろ！)



腕の中のAは
すっかり安心しきった顔で
気持ち良さそうに
安室に抱かれている


その顔を見ると
先程の決心も揺らぎそうになるが
そんなことでは
公安は務まらない！


安室は頭の中でただひたすら
昨日目を通した書類(風見作成)を
暗唱していた


すると忽ち
頭が冷めて、冷静さを取り戻す



「Aさん、ありがとうございます
もう大丈夫です」


そう言って
いつもの安室透スマイルを
Aに向けた



Aは目を開いて

『いいえ…』

そう言って安室から離れた




((あー、ドキドキした！))



２人とも離れて寂しいような
ホッとしたような感じである



Aは少し冷めた
ハーブティーを口に運び

『明日、私は午後から
学校へ行きますが…

安室さんはどうされますか？』


と安室の様子を伺いながら聞いた


「明日は用事がありまして…
そうですね、ここを7時には
出ようかと思います」


(明日は登庁しなくては
仕事も溜まっているだろうし
何より風見が悲鳴を上げているだろう)


『お忙しいのに
今日は本当にありがとうございます

明日もこちらで朝食の準備
しておきますね！』


Aはペコッと頭を下げて
明日の朝の仕込みをし始めた


その様子を安室は嬉しそうに
見つめていたのだった








安室がAと抱き合い
冷静さを取り戻そうと
書類の暗唱を頭の中でしていたころ…


ピーン


風見は何か鋭い殺気を感じ
降谷の席の方を向いた

その席の主はいないのだが…


(何故だ…降谷さんの席から
物凄い圧を感じる…！)


「これでよく公安が務まるな…！」

(幻聴まで…)


だんだん頭が痛くなっていく…！


それに気づいた同僚が

「おい、風見！もう寝ろ！
お前今日で三徹目だろ！」

そう言われて仮眠室に入れられたのだった

189→←187

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す